綾野剛(44)が、磯村勇斗(33)とAぇ!Group末澤誠也(31)のダブル主演映画「mentor」(吉田恵輔監督、10月16日公開)に、物語の鍵を握る存在、メンターとして出演することが21日、分かった。
磯村と末澤が演じる2人が、15年前の夏に花火遊びで全焼させた隣のアパートの元住人で、火災で妻子を失い、自らも全身にやけどを負った男を演じる。オリジナル脚本を自ら手がけた、吉田恵輔監督(50)が、当初からメンター役にイメージし、起用した。
綾野が演じる埜本潤は、磯村演じる益子龍之介と末澤演じる上谷拓海が起こした火災から、15年の時を経て再び2人の前に現れる。恨みをぶつけるどころか優しすぎ、過去の罪にふたをしてアーチェリー五輪日本代表候補として前進する龍之介には、拭えない違和感となる一方、罪の記憶から抜け出せない拓海には救いの光のように映り、やがて心のよりどころ、メンター(助言者・導き手)のようになっていく存在だ。
綾野は「磯村勇斗さんの鍛錬と感性の爆発力、末澤誠也さんの才能と天性の瞬発力。そして吉田恵輔監督の奇才奇天烈な総合力。その火口に飛び込み混ざり、ただただ極上のカオスな日々を過ごさせて頂きました」と撮影を振り返り、感謝した。埜本の複雑な人物像を体現するため、綾野は皮膚の質感や傷痕に至るまで緻密(ちみつ)に作り込まれ、準備に毎回約3時間を要する特殊メイクにも挑んだ。「ぜひ、これ以上の情報を一切入れずノーガードで映画『mentor』を浴びて頂けましたら幸いです」と呼びかけた。
吉田監督は21年「空白」や24年「ミッシング」など、脚本から手がける原作のないオリジナル作品の製作を続け、定評がある。綾野の起用について「タイトルにもあるメンター役には当初から綾野剛さんをイメージしていました。いつかご一緒したい俳優であるのはもちろん、圧倒的な演技力は言うことなし」と語った。「そして今作、最も必要だったのは、柔らかな人物像でありながら、カリスマ性を持ち合わせ、時に狂気も垣間見えるキャラクター。撮影中は、こんな演技に貪欲(どんよく)で妥協がない人がいるのかと驚きつつ、監督として負けるわけにはいかないので、いつも以上の集中力で脳みそフル回転でした」と撮影を振り返った。
磯村は「綾野剛さんがメンター役とお聞きした時、率直にうれしかったです。それは、普段から僕のメンター的存在なので、同じ空間で再びお芝居ができることをとても楽しみにしていました」と、綾野との再共演を喜んだ。そして「現場での綾野さんの存在は、この作品をともす炎のように僕たちを導き、メンターの明部と暗部の危うく揺れ動く輪郭に、僕たちは翻弄(ほんろう)されました」と語った。
個人として初の映画主演となる末澤は「磯村くんとは本当に子供の頃から仲良かったみたいに、撮影の合間でふざけ合っていましたし、綾野さんとのシーンも多かったのですが、すごく気さくに話してくださり、近くでたくさん学ばせて頂きました」と撮影を振り返りつつ、綾野に感謝した。磯村、末澤、吉田監督のコメント全文は、以下の通り。
磯村勇斗 綾野剛さんがメンター役とお聞きした時、率直にうれしかったです。
それは、普段から僕のメンター的存在なので、同じ空間で再びお芝居ができることをとても楽しみにしていました。現場での綾野さんの存在は、この作品をともす炎のように僕たちを導き、メンターの明部と暗部の危うく揺れ動く輪郭に、僕たちは翻弄(ほんろう)されました。そこに、末澤さんの鮮烈な存在感が、三人の関係にうねりを生み出し、物語に緊張と緩和を与えてくれました。胸がえぐられ、どこか笑えてくる。五感をジャックし、感情を揺さぶり、思考まで侵食してくる吉田恵輔監督とは何者なのか。僕は今もなお考え続けています。先の読めないこの作品に、どうぞ身を放り投げるように飛び込んでいただけたらうれしいです。
末澤誠也 人間のドロドロした部分があふれていて、一つの事件に対して、さまざまな角度から描かれているのでいろんな感じ方をしていただける、吉田監督の世界観が存分に味わえる映画になってます。見させて頂いた後、この映画のジャンルは何になるんだろうとみんなで話していました。そこも含めて楽しんで頂けるとうれしいです。磯村くんとは本当に子供の頃から仲良かったみたいに、撮影の合間でふざけ合っていましたし、綾野さんとのシーンも多かったのですが、すごく気さくに話してくださり、近くでたくさん学ばせて頂きました。僕にとって個人としての初主演作品になる「mentor」ですが、ものすごく貴重な経験をさせていただけた現場でした。是非劇場でお楽しみください。
吉田恵輔監督 タイトルにもあるメンター役には当初から綾野剛さんをイメージしていました。
いつかご一緒したい俳優であるのはもちろん、圧倒的な演技力は言うことなし。そして今作、最も必要だったのは、柔らかな人物像でありながら、カリスマ性を持ち合わせ、時に狂気も垣間見えるキャラクター。撮影中は、こんな演技に貪欲(どんよく)で妥協がない人がいるのかと驚きつつ、監督として負けるわけにはいかないので、いつも以上の集中力で脳みそフル回転でした。完成後、改めて綾野剛さんのすごさに感謝と感動。映画作りはバランスが大事です。しかし「mentor」は個性がぶつかり合い、全く調和しないのが魅力だと思っています。今まで体感したことのない映画を是非劇場で味わっていただきたいです。
◆「mentor」 龍之介と拓海、2人の少年の無邪気な花火遊びがアパートを全焼させ、住人の埜本は火災で妻子を失い、自らも全身にやけどを負った。それから、15年。龍之介(磯村勇斗)が罪の意識にふたをしたまま普通に生きようとしている一方、拓海(末澤誠也)は、あの日から時間が止まったまま…そんな2人の前に突然、埜本(綾野剛)が再び姿を現す。恨みをぶつけられるはずだったが、埜本はなぜか優しすぎ、龍之介には拭えない違和感となり、拓海には救いの光のように見えてしまう。本来なら二度と交わらないはずの、いびつな再会が、3人の人生を確実に動かし始める。