気が付けば15年、ナニワのアイドルグループ・オバチャーン これからも元気に盛り上げて

結成15周年記念ライブを開催したオバチャーンのセンター舟井栄子(2026年5月撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

大阪のおばちゃんアイドルグループ、オバチャーンが9日、大阪市の新世界ZAZA Pocketsで結成15周年記念ライブを開催した。

10日の母の日に先立ち、「オ母(オバ)の日」と題して3ステージを開催。海外からの観光客も訪れた中、公演前の注意事項のMCでは「動画撮影は禁止して…おりません」と笑いを誘い、「SNSで拡散してください」とお願いした。

続けて、「重大なお知らせ」として「すべて口パクでのパフォーマンスです。ズレが生じお聞き苦しいかもしれません」と正直にぶっちゃけ、登場前から笑いを誘った。

ステージが始まったら始まったで、関西弁全開のマシンガントークと息を切らしながら「オバレゲエ」「OVERPOWER」など5曲のライブパフォーマンス。MCではセンターの舟井栄子が「若い人は道を暴走するけど、私たちは逆走」「若い人はお風呂でのぼせるけど、私たちは溺れる」などと“おばちゃんあるある”を話して笑わせると、グループ屈指のしゃべりの達人、「しゃべらんと死んでしまう」という宇口(うこう)久子が「皆さん、笑ってるけど、そうなるからな」とツッコミ。随所に年齢を押し出して笑いに変えた。

公演後はCD購入者との撮影会や豊富な人生経験を生かした人生相談会が行われ、「不要と言っても、強引に撮影される可能性があります。どうしてもイヤならそっと退出下さい。時折かみつく恐れがありますのでお近づきの際は気をつけて」などと“珍獣”扱いのアナウンス。笑いが絶えなかった。

12年に結成。「大阪の“絡んでくるアイドル”」をコンセプトに、昨年は大阪・関西万博にも絡んだ。選抜メンバー「仏7」を中心に、メンバーが入れ代わり立ち代わりしながら、現在は14人で活動。舟井は「あっという間に過ぎましたね。知名度も低いし、あっちのイベント、こっちのイベントと連れて行っていただいて、ずっと楽しいです」とにっこり。グループ屈指のしゃべりの達人、「しゃべらんと死んでしまう」という宇口は「毎回新鮮で、毎回処女番組です。ドキドキ感はずっとあるし、言い方はなんやけど出たとこ勝負。落語でお客さんの雰囲気を見てネタを変えるって言いますけど一緒。打ち合わせも何もしてない。台本あった方が不自然ですわ」と語った。

気がつけば結成当初は60代と触れ込んでいた自称平均年齢も73歳になり、オバチャーンと言うより“オバアチャーン”。「息切れして当たり前」と笑い飛ばした。

グループをプロデュースする日座裕介氏は、15年の活動を振り返り、コロナ禍の時が一番キツかったと明かした。「まず、公演ができないし、高齢の方ばかりだからかかったら一発アウト。正直ダメかと思いました」。

それでも、高齢社会が抱える問題の当事者世代でもあり、大阪府警の特殊詐欺啓発動画などに起用されるなど仕事がなくなることはなかった。コツコツ配信してきたYouTube動画が海外でウケているそうで、それを見たインバウンド客が公演に訪れるなどワールドワイド(?)な活躍をしている。インドネシアのボートレースの映像に重ねたミーム映像で再ブレークしているサカナクションの「夜の踊り子」と比較するのは大げさかもしれないが、どこでハマるか分からない。日座氏は「何より皆さんが楽しんでくれている。まぁ、20周年は行ってほしいですよね」と優しいまなざしを向けた。

メンバーもやる気十分だ。舟井は今後の目標について「去年、新曲を出して紅白も出たかったけど、お呼びがない。もう諦めました」とNHK紅白歌合戦出場には白旗をあげたが、「47都道府県回りたい。あちこち行ったけど、まだ回ってないところもある。スーパー銭湯とか回りたい」。純烈ならぬ“女版”スーパー銭湯アイドル化を目標に掲げた。

宇口も「年いって肉体は衰えていくけど、杖突いてでも出たい。私、医者に『130歳まで生きる』って言われたから」。あと半世紀やりそうな勢いだった。

これからも元気に、楽しんで、大阪を盛り上げていってほしい。【阪口孝志】