黒崎煌代、岡本多緒が日本人初のカンヌ映画祭女優賞受賞の瞬間「僕は寝ていた」会場の笑い誘う

映画「急に具合が悪くなる」舞台あいさつを行う黒崎煌代(撮影・中島郁夫)

カンヌ映画祭(フランス)コンペティション部門に出品された、濱口竜介監督(47)の新作映画「急に具合が悪くなる」(6月19日公開)ジャパンプレミアが27日、都内のTOHOシネマズ日比谷で開かれた。

黒崎煌代(24)は、23日(フランス時間)の授賞式で日本人初の女優賞を受賞した主演の岡本多緒(41)と同賞を共同受賞したベルギー出身のフランスの俳優ビルジニー・エフィラ(49)の受賞を、どう受け止めたか? と聞かれると「僕は寝ていた」と素直に答えた。黒崎は日本に帰国しており、時差の関係から24日早朝の午前4時過ぎだったため、無理のない話しだったが、素直に寝ていたと、さわやかに認めたことが客席の笑いを誘った。

「急に具合が悪くなる」は、パリ郊外の介護施設の施設長マリー=ルー・フォンテーヌと、がんで闘病中の日本人演出家・森崎真理との交流を描く。マリー=ルーをエフィラ、真理を岡本が演じた。マリー=ルーと真理を引き合わせる重要な役どころとして、真理が演出する舞台に出演する俳優の清宮吾朗をた長塚京三(80)、吾朗の孫の窪寺智樹を黒崎が演じた。

長塚が「ビルジニーと多緒さんが泣いているのを見て、あれ? と思ったら、僕も泣いていた。自分のこととのようにうれしい」と感想を口にした、その直後に、黒崎は「僕は寝ていて、速報を見た」と正直に打ち明けた。その上で「ここ数年で1番、目覚めが良かった。最高の気持ち。うれしいです」と言い、祝福した。

この日は壇上に、カンヌ映画祭女優賞のトロフィーも持ち込まれ、公開された。黒崎は「やべぇ…これは、やべぇ!」と繰り返し、興奮を抑えきれなかった。

◆「急に具合が悪くなる」 フランス、パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長マリー=ルー・フォンテーヌ(ビルジニー・エフィラ)は、入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、日本人の演出家・森崎真理(岡本多緒)に出会い、がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらう。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、交流を始めた2人だったが、ある時、真理が「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、2人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者の宮野真生子さんと、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者の磯野真穂さんがかわした20通の往復書簡を元にした、19年の同名共著(晶文社)を原作に、濱口監督が脚本を執筆。