岩下志麻(85)が30日、東京・Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下で行われた「映画監督 篠田正浩レトロスペクティブ」Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下篇トークイベントに登壇した。夫で映画監督の篠田正浩さんが25年3月25日に94歳で亡くなって以来、公の場に姿を見せるのは初めて。
岩下は、篠田さんとの最初の出会いを振り返った。2人は当時、松竹の監督と俳優の立場で「初めてお会いしたのは(60年の)『乾いた湖』という作品で、寺山修司さんと篠田が脚本を書いているところに面接に行き、初めてお会いしました」という。同作が本格的なデビュー作で「「あれで抜てきしてくださった。お会いしていなければ、今の私はいない…運命の出会いでした」と、しみじみと語った。
亡くなった当初は「喪失感が大きくて…気力が全然、なくなっちゃって死にたい、死ぬことばかり考えていた」と吐露。「ある出版社の方が、映画人生の本を書きませんかと言っていただいた。やってみると、22本見て、篠田の本を読まなきゃ行けない。生きているみたいになって、かなり前向きに気持ちを持って行けた…まだ寂しいですけど」と語った。
篠田さんが骨折し、最後の入院になった当時、テレビの仕事がきた際は「やりなさい。あなたは10歳も若いんだから、やりなさい」と励ましてくれたという。「篠田は私が女優をやっているのが好き」と語った。今でも仏壇で「毎日、報告して出かけています。今日のことも、そうですね。(今日のトークショーも)喜んでいると思います」とも口にした。