6月25日から7月10日にかけて米首都ワシントンDCで開催される米国の建国250周年を祝福するトランプ米大統領肝煎りのコンサートで、出演予定だったアーティストが相次いで出演を辞退して波紋を広げている。トランプ政権が立ち上げた建国250周年を祝う官民連携事業「フリーダム250」の一環として、ナショナル・モールで「グレート・アメリカン・ステート・フェア」と銘打たれたイベントが行われることになっており、27日に人気カントリー歌手マルティナ・マクブライドやラッパーのヤングMCらコンサートのラインアップが発表されたばかりだった。
最初に出演辞退を表明したヤングMCは、「アーティストたちはこのイベントに政治的な関与があることは一切知らされていなかった」とコメントし、トランプ大統領がイベントに関与しているとの報道を指摘。自身のSNSで出演しない意向を示した。また、ポップ、ファンクバンドのコモドアーズもインスタグラムを更新し、「私たちの音楽は常に私たちの声であり、特定の政党と公に提携しないことを選択した」と声明を発表した。
さらに過去にトランプ大統領を称賛したことで知られるロックバンド、ポイズンのボーカル、ブレット・マイケルズも「安全上の懸念」を理由に出演を取りやめると明かした。自身の決断は政治的な動機によるものではいと説明する一方で、主催者から誤った情報を与えられたためだと主張。イベントは音楽を通じて我が国をたたえるものであり、退役軍人や救急隊員、教師らあらゆる分野で働く勤勉なアメリカ人をたたえる機会だと説明されていたが、アメリカをより分断させるものに変わったとの考えを示した。
フリーダム250は建国250周年を機にアメリカ国民を団結させることを目的とした「超党派」組織とうたっていたものの、実際には大統領が主導する政治色の強いイベントであることから政治的分断を避ける目的などで出演を取りやめるアーティストが続出していると伝えられている。
現時点でバニラ・アイスは予定通り出演する意向を示しているが、大半のアーティストが辞退したことで開催に暗雲が立ち込めている。(千歳香奈子)