嵐の5人とゆかりのある著名人らが登場するインタビュー企画「感謝の嵐」最終回は、今日31日で活動にピリオドを打つ5人の姿を15年にわたって見つめてきた放送作家・脚本家の小山薫堂氏(61)が思いを語る。10年のNHK紅白歌合戦の企画「僕達のふるさとニッポン」の楽曲として「ふるさと」を作詞。翌11年からスタートした「嵐のワクワク学校」では監修を務め、先生役の退任予定を翻し、オンライン開催したコロナ禍の20年まで、ともに作り上げた。同氏が、見つめていた嵐の素顔と、これから期待したいことを5人に投げかけた。【村上幸将】
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嵐との縁が生まれたのは、紅白歌合戦本番が迫った10年10月頃に、NHKから寄せられた作詞のオファーだった。良い曲が先にできており「息の長い曲になるような歌詞が良いんです」とのリクエストを受けて「直観的に、ふるさとがいいな」と故郷・熊本に心を寄せて1番の歌詞を書いた。
翌11年3月11日に東日本大震災が発生すると、同5月1日に嵐サイドから「東京ドームと大阪ドームを押さえています。震災が起こったので、大きな音を出したり電気をなるべく使わない企画にしたいんだけれど、何か企画を考えてくれませんか?」と打診があった。実施予定は6月だった。
そこで「学校は、どうでしょう?」と提案した。当時、東北芸術工科大デザイン工学部企画構想学科で学科長を務め、教育の重要性に加え「学生に興味を持たせるのは難しい」と感じていた。「5人が、人への愛に満ちていると感じた。先生になったら、子供達は言葉に耳を傾けてくれるし、先生にも教育の可能性を、伝えられるのでは?」と考えたアイデアが「嵐のワクワク学校」になった。
「始める時は、朝から5人が、ここ(小山氏の事務所)に来て一緒に会議をやり、自分たちの意見、アイデアを言った。みんな、コンサート以上に緊張する、と。歌うわけでも、踊るわけでもない中で、約5万人の観客を満足させられるだろうか? という不安を抱えていた記憶があります」
実施した結果、大切なことを伝えている、と5人の思いも強くなり、継続開催となった。毎年、準備に半年をかけた「嵐のワクワク学校」は「1年の生活のリズムになった」という。「使命として、国民的アイドルを介し子供達に大切なメッセージを伝えられる喜びがあり、彼らも楽しんでやっていた。仕事という感じはなかった」と振り返る。16年に小山氏の故郷・熊本が地震で甚大な被害を受けると、5人は「ふるさと」を使った60秒の応援メッセージの制作に快く応じた。
活動を終える5人の姿を見に、4月に東京ドームで開催されたラストツアーにも足を運んだ。「まさに1つの学校を卒業する感じと、同級生は永遠に集まり、同窓会を開く感覚。5人がオープニングに顔を見せた時、特に大野君の顔を見て、もう一緒に歌うことはないのかな? と思っていたので、グッときました」。
嵐が国民的グループになれたのは、なぜか? と問うと即答した。
「普通の部分を、ちゃんと持ち続けることができたのだと思います。本人たちに、どこまで自負があったか分からないですけど、スーパーアイドル…特別な存在なんだけれど、謙虚。あらゆるところに気配りをする。スタッフに、ここまで愛されている人、いないんじゃないですか? 10年に『ニッポンの嵐』という本を作り、図書館に寄贈したのも良かった。今は地域創生とか当たり前になりましたけど、その前から地域を応援するとか、人に寄り添う感じ…優しい。それが国民的なスターになり得た、ゆえんでもあるのかなと」
嵐を終えた後の5人に期待したいことを聞いた。
「5人がそろった時の、あの空気感が良いから、5年に1回でも良いんで同窓会を見てみたい。ステージには立たなくて良いけど、声だけで良いんで、友情の形として5人でラジオをやって欲しい。1時間、しゃべるだけで良いんです」
小山氏がMCを務めるTOKYO FM「日本郵便 SUNDAY'S POST」(日曜午後3時)には、嵐の活動休止直前の20年12月20日放送回に二宮和也(42)と相葉雅紀(43)が出演した。同番組が、その場になったら? と問うと笑みを浮かべた。
「そうしたら最高。ファンの方にお手紙を書いてもらって、それを5人にドバッと渡して…そんなことになったら、本当にうれしいです。僕はいなくて、5人だけで何の打ち合わせもなく、誰が最初に来るのか、遅れてくるのか含め、1時間、ただ(録音を)回しっぱなしでも面白い。それは、僕にとっての『ワクワク学校』になりますね」
◆小山薫堂(こやま・くんどう)1964年(昭39)6月23日、熊本県天草市生まれ。日大芸術学部放送学科在籍中に「11PM」で放送作家として活動を開始し「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」など斬新なテレビ番組を担当。初めて映画脚本を手がけた08年「おくりびと」は米アカデミー賞外国語映画賞(現国際長編映画賞)を受賞。熊本県のキャラクター「くまモン」の生みの親。大阪・関西万博では「EARTH MART」を企画。3月開館の文化複合施設「MoN Takanawa」では総合プロデューサーを務める。
○…プライベートで最も親交が深い松本潤(42)には、個人の活動で期待したいことがあるという。「時々、一緒に飲むんですけど『いろいろな人を巻き込んで、新しいことをやりたいよね』という話は、よくしますね。プロデュースに興味があるんじゃないですか? だから。新しいグループとかプロデュースするんじゃないかな、という気がしますね」と瞳を輝かせた。