【記者の目】心に残る大野智の言葉「やりたいことを見つけて、そのことを考え続ける」

東京ドーム

国民的存在となったアイドルグループ嵐が、5月31日をもって活動を終了した。同日に東京ドームで、ラストツアー「ARASHI LIVE TOUR 2026 『We are ARASHI』」最終公演を迎え、26年半のグループ活動に区切りを付けた。直近の担当記者3人が見た「嵐」を順次、掲載する。

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「いつ辞めてもいい。その気持ちは今も変わってないかも」。当時26歳、大野智は淡々と言った。生い立ちをじっくり聞く機会があり、どんな思いで芸能活動をしているのか、本音を聞きたかった。嵐はその半年前に初のアジアツアーを成功させ、人気も実績もSMAPの背中が見えてきた頃。ファンに支えられている立場は十分に理解していたが、心の片隅に「引退」の気持ちは常に置いていた。

最初は16歳。親元を離れ2年間に及ぶミュージカルの長期公演に参加。千秋楽で大粒の涙がこぼれた。もともと芸能に興味はなく、周囲の勧めで事務所に入り、部活感覚で活動していた。「これで終わり。決別の気持ちでした」。事務所トップに説得され思いとどまったが、1年後、再び気持ちが揺らぐ。「もともと絵が好きで雑誌などで見かけるイラストに興味があった」。辞める時期をうかがっていると「新しいグループに入ってほしい」と突然告げられた。ダンスや歌に非凡な才能を持っており、強く期待されていた。デビュー日も決まっており、外堀は埋められていた。「辞めようとすると、いつもそういかなくなる」と笑ったが、芸能界から離れる自分を想像することは度々あったという。

「国民的人気」を背負い奮闘したが、最終的に「自由な生活がしてみたい」とメンバーに切り出し、話し合いを重ねてグループの活動休止を決めた。かつて「やりたいことを見つけて、そのことを考え続けるタイプ。人がどうこうではなく、自分がどれだけできるのか気になってしまう」と話していた。矢印を自分に向けて歩む人生が始まる。【02年~08年担当・松田秀彦】