バイオリニスト高嶋ちさ子(57)の父で音楽ディレクターの髙嶋弘之が92歳でCDデビューした「君のいない朝がくる」(10日発売)の発売記念イベントが9日、東京・江東区のカメイドロックで行われた。
半世紀以上を夫婦として歩み、17年に79歳で亡くなった妻薫子さんへ贈るラブソングだ。
歌唱前に「たくさんなのか、少ないのか分かりませんがお集まりいただきありがとうございます。人の迷惑を省みずにCDを出すことになりました。心配そうな顔をしている人もいます、下手な歌を聞いて死んだ人はいない。ご安心を」と毒舌交じりに自虐あいさつをした。
デビュー曲については「家内を9年前に亡くしました。しばらくしたら『そうだ、もういないんだ』と何度も思うようになった。そのタイトルにしようと思ったら、ある人のエッセーと同じだった。『君のいない朝がくる』は私が考えたタイトルです」。
作曲は「ペッパー警部」「五番街のマリーへ」などの都倉俊一氏、作詞は「さらば恋人」「戦争を知らない子供たち」の、きたやまおさむ氏のヒットメーカーコンビが手がけた。2人とも髙嶋が手がけたアーティストでもある。
「最高にうれしいですね。きたやまさんは電話がかかってきて『(妻について)何でもいいから話してよ』と。小さな『ありがとう』は言っていたけど、大きな『ありがとう』は言ったことがないと伝えました。都倉さんはレコーディングに来てくれた。私は譜面が読めないけれど彼が教えてくれてレコーディングができた。ありがたい」と感謝した。
92歳とは思えない若々しさだ。若さの秘訣(ひけつ)は「常に人に喜んでいただきたいと思っている。90歳になった時に、人生とは何かを悟ると思っていたが何も悟らない。生まれてきた以上は『髙嶋といたら楽しかった』と言ってほしい。下手な歌でご迷惑をかけているかもしれないが、92歳でも頑張っていると励ましになればいい」。
ライバルは「考えたこともない」が「デビュー曲が売れたら第2弾を出したい。タイトルも決まっている。次はラップ調で『勘弁してYO!』」とノリノリだった。
今後の歌手活動について「人がたくさんいる場所で歌いたい」と明かし、紅白歌合戦への出場について「『歌え』と言われれば歌いますよ」とNHKにラブコール。ちさ子が『12人のヴァイオリニスト』コンサートを実施していることを引き合いに「考えるのは自由。紅白が実現したら『高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト』を伴奏で出してやりますよ」と紅白での父娘共演を“公約”した。