水上恒司(27)の主演映画「本当にあった話(の話)」(武井佑吏監督)が製作され、公開日が10月2日に決定した。配給の東京テアトルが11日、発表した。
水上は「狂った映画になっております。でもこんな映画もあって良いのだと実感しました。こんな映画がこの世からなくならないで欲しいです。こんな映画を作れることにありがたさを感じざるを得ません」とコメントした。
「本当にあった話(の話)」は、世間を震撼(しんかん)させた配偶者入れ替え連続殺人事件から数十年経ち、事件を元にした禁断の舞台が作られることになる物語。水上演じる夛田(ただ)が主演を射止めるが、夛田は「“正しいこと”をいうことがそんなに正しいのか?」という、現代人が感じている違和感の正体をあぶり出していく。「社会的に正しいはずの思想」が、個人の「エゴや欲望」によってゆがめられていき、夛田の執着、執念が相手役ら全ての人間を次第に掌握し、動かし、破壊していく。
相手役の米良を黒木華(36)舞台の脚本家・垣内を小池栄子(45)舞台演出家の加藤を佐々木蔵之介(58)が演じる。山下美月(26)も出演する。出演者は脚本の面白さ、素晴らしさによって集まった。武井佑吏監督の、商業映画デビュー作となる。共演陣、製作陣のコメントは、以下の通り。
黒木華 本当にあった話(の話)とは一体なんなのでしょうか。共感できるのか、できないのか…。台本をいただいた時からよくわからない、でも気になる…。この不思議な感覚を終始携えながら探検しているような気持ちで、共演者の方々と撮影に臨みました。
この物語がこれからご覧いただく皆さまにはどのように映るのか楽しみにしております。
山下美月 「正しさ」は、とても強い武器です。でもその武器を振りかざしている時、人間は己の矛盾には気づけないものなのかもしれません。居心地の悪い世界を生きており、きれいではない感情を悶々と抱えている。登場人物達の不自由さが、すごく魅力的な作品だと感じました。見終わった後、答えが残るのか問いが生まれるのか、私自身とても楽しみです。
小池栄子 武井監督の作り出す幻想的な世界感にどっぷり漬からせていただいた不思議な撮影時間でした。狂気と正気は紙一重、そんな空気を纏った作品をぜひご賞味あれ!
佐々木蔵之介 加藤鶏冠手で、カトウカエルデ。そもそも自分の役名が読めなかったほどに、一筋縄ではいかない役を楽しみました。現場では武井監督に導いてもらい、水上(恒司)くん、(黒木)華ちゃん、(小池)栄子ちゃんたちと”奇妙な世界“を笑って撮影しました。観客の皆さまにも、迷子になりながらも不思議な話を一緒に体験していただければうれしいです。劇場でお待ちしております。
武井佑吏監督 何かに取り憑かれた人間は、光り輝いています。たとえそれが滑稽で、危うく、周囲から見れば間違っていたとしても、自分だけの本当を信じて進む姿には、クラクラするような美しさがある。鴻池留衣さんの原作が持つそんな魔力に導かれながら、大好きで心から信頼する俳優・スタッフの皆さんとともに、映画を作りました。ぜひご覧ください。
原作者・鴻池留衣氏 人は「世界を解釈する権利」を求めます。だからこそ他者と対立し、小説は書かれ、演劇や映画は作られ、役者は演じるのだと思います。武井佑吏監督のさえ渡る才能と、素晴らしいキャストたち、製作現場の皆さんが、原作を見事に解釈し
てくださいました。本作は、フィクションを作る(=世界を解釈する)人たちを描いたフィクションです。この映画化は、フィクションを現実化、もしくは現実をフィクション化したと思しき事件です。最高の映画です。
◆「本当にあった話(の話)」1999年。厳格な家庭に縛られてきた近田貴子は、恋人との結婚を否定され、ある計画に踏み出す。それは、立派な経歴を持つ男と結婚し殺害、その人生を恋人に引き継がせ“夫婦”として生きる計画だった。しかし、貴子のゆがんだ欲望は止まらず、殺人は繰り返されていく。そんな世間を震撼(しんかん)させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年。事件を元にした禁断の舞台が作られることになり、夛田が主演を射止める。だがそこからがこの舞台の悪夢の始まりとなるーこの男は一体、何をしでかすのか?