元ボクシング世界王者のタレント、ガッツ石松(本名鈴木有二=すずき・ゆうじ)さんが亡くなったことが11日、分かった。76歳。公式SNSが発表した。
ガッツさんは約30年前に行われた1996年(平8)10月の衆院選に、自民党公認で東京9区に立候補したことがある。自民党からの立候補が決まってから実際に衆院選が行われるまで、2年近くの時間がかかり、公示日の出陣式では、ビール箱の上に立ち、「口では言い表せないかっとうがあった」と感慨深げに支援者に語り、「世界チャンピオンになるための厳しい練習に勝るとも劣らなかった」と振り返ったほどだった。
自民党からの立候補について「人に担がれたのは、3歳の時に右のこぶしをやけどをして、隣町まで母親に担がれて病院に行った時以来」とユニークに表現。「おれは不可能を可能にしてきた男。判定勝ちではなくKO勝ちしたい」と、ボクシングに例えながら勝利への意欲を語り、持ち前のフットワークで選挙区を走り、街頭で支持を訴えた。
この時の東京9区は、1議席を与野党の5候補者で争う激戦区。当時の自民党総裁、橋本龍太郎首相が応援に入るなど党側も重点区の一つと位置づけサポートしたが、5人中3位の票数で、重複立候補した比例代表も含め、議席獲得はならなかった。落選が確実になると、ガッツ石松さんは報道陣に「人生のこういう勝負を経験できただけで幸せ。有森(裕子)さんじゃないけど、自分をほめてやりたい」と語り、「悔いはありません」と、サバサバした表情で口にしていた。
公式SNSは11日、「訃報 ガッツ石松が令和8年6月2日(76歳)、肺炎のため都内病院にて永眠いたしました。ここに生前賜りましたご厚情に対し心よりお礼申し上げますとともに、ご報告いたします。ガッツポーズをするたびに、ガッツ石松を想い出していただければ幸いです。OK牧場!」と、最後はガッツ石松さんの鉄板フレーズで締めくくった。
◆ガッツ石松(がっつ・いしまつ)本名鈴木有二。1949年(昭24)6月5日、栃木県生まれ。中学卒業後プロボクサーを目指し上京。72年東洋ライト級王座獲得。74年には「幻の右」でロドルフォ・ゴンサレスを破りWBC世界ライト級チャンピオンに。5度の防衛に成功した。79年3月に引退後は俳優、タレントとして活躍。流行語になった「OK牧場」をはじめ、ユニークな語録で知られ著書も多数。