中村鴈治郎「ただただ独りよがりで欲と金にまみれた」役 3回目で「こんなに楽しい役はない」

中村鴈治郎

歌舞伎俳優中村鴈治郎(67)坂東新悟(35)が15日、東京・大田区役所で、国立劇場主催の「7月歌舞伎鑑賞教室『神霊矢口渡』」(同4~15日、東京・大田区民ホールアプリコ)の取材会を行った。

同区の史跡「矢口の渡」が舞台になった演目で、取材会に先立って2人は、新田神社で成功祈願も行った。

鴈治郎は、悪人だが愛嬌(あいきょう)もある渡し守頓兵衛を演じる。今回で3回目となり「最初は実に不安で、どうなるんだろうと思っていた役ですが、1回、2回とやらせていただくうち、こんなに楽しい役はないというくらい、好きになりつつある役です」とした。

役の人物像について、鴈治郎は「ただただ独りよがりで、欲と金にまみれて、娘さえどうでもいいという役。内容的には最低ですよね」と笑いつつ、「歌舞伎だということで楽しんでもらえたら。憎たらしいんだけど人間味があって、どこか抜けてる。先人の方々がやられたことも手本にしながらも、私なりの頓兵衛をやれればという思いです」と語った。

純情な娘のお舟を初役でつとめる新悟は「あこがれのお役でした。身の引き締まる気持ちで光栄です」とし、「好きな人を助けたいと思うけなげさや、実の父との間で板挟みになって意見をする情熱的な面、いろんな面を出していて、やりがいがある」と話した。