因縁の対面果たした“直接対決”聞き納め…またどこかでを期待

ファミリー寄席に出演した神田伯山

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

先日、講談師神田伯山(42)、フリーアナウンサー生島ヒロシ(75)が出演した、ファミリー寄席の取材の機会に恵まれた。先輩記者の代理で伺ったが、記者はTBSラジオ「問わず語りの神田伯山」(金曜午後9時)のリスナー。そして、数年前には伯山にインタビューもしていたので、個人的に楽しみにしていた現場だった。

到着すると、東京・浅草演芸ホールは満席。立ち見の方もちらほら出始めていた。その中心にいたの伯山。開口一番、「さっき楽屋で生島さんに会ったんですけど、全然反省してなくて」と、おなじみの”伯山節”に会場が即座に笑いに包まれた。「問わず語り-」リスナーなら、何度も聞いてきたあの生島イジリ。この日は2人の因縁の対面とも、答え合わせともいえる共演だった。

生島は昨年1月27日に重大なコンプライアンス(法令順守)違反でTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」を降板。そして、4月から新番組、文化放送「生島ヒロシの日曜9時ですよ~」(日曜午前9時)をスタートさせ、この日は親子漫談で1年2カ月ぶりの舞台復帰を果たした。

「シャバの空気はいいな~」と、自虐とも本音ともつかない一言に客席は即座に反応。会場の笑いにはどこか安堵(あんど)感が混じっているようだった。

漫談では自粛期間中の生活も明かした。コンプライアンス(法令順守)、アンガーマネジメントを学び、お寺で座禅を組み、坊主頭になった写真まで披露。そして、「伯山先生には反省していないと言われますが、本当は大反省しているんです!」と自虐した。

印象深かったのは、自粛期間中にラジオ界の先輩たちに励まされたという話。自身の話を交えて、先輩たちとのエピソードを話す姿は、かつての”生島節”そのものだった。

「大沢悠里さんからは『人生謙虚を忘れちゃいけないよ』と言われましてね。毒蝮三太夫さんはご自宅に招いてくれてたくさん話しました。会うなり、『おう、来たか。前科者!』って(笑い)。2時間で元気をもらいました。『人と時を、そして徳を積めと。徳は一日一善、1つじゃないよ。徳、3つは積めと』言われました。徳光さん目指しま~す」

生島は失敗談も、自虐も先輩への敬意も笑いに変えていた。話芸のリズムは何十年もマイクの前に立ち続けた人ならではだろうと思う。

舞台後「久しぶりにお客さんの顔が見えるとね、本当に1分2分かな。すごく緊張して」と話す姿は、とても晴れやかだった。そして、何度もイジり続けた伯山に「ありがたいですよ、彼はやっぱり天才だね」と感謝をしていた。

寄席が行われた後の「問わず語り-」ではファミリー寄席について伯山が熱く語っていた。”直接対決”で互いに笑い、たたえ合う姿を見ると、あのイジりも聞き納めか、と少し寂しさもある。またどこかでイジりが飛び出してくることをひそかに期待している。【加藤理沙】