演歌歌手中村美律子(75)が16日、故郷・大阪のフェスティバルホールでデビュー40周年記念コンサート「一期一会の歌祭り」を行った。
前半では“浪花の歌姫”中村の真骨頂ともいえる長編歌謡浪曲「瞼の母」(19分)「桂春団治」(15分)「無法松の恋」(22分)の3題を約1時間かけて続けて歌唱した。
幕が上がると「待ってましたっ」「みっちゃん」のかけ声があちこちで飛び交う。そんな中、中学時代から「河内音頭」をうたった歌唱力と、浪曲師春野百合子に弟子入りして身に付けた表現力を存分に発揮して約2700人を魅了。割れんばかりの大拍手と「日本一!」の声援を一身に浴びて、ステージで唯一無二の輝きを放った。
公演前の取材で「3題もやるのはすごく体力がいるし、やりきれるかはやってみないと分からない。でも他の人にはできないし、私にできるのは今回が最後かもしれない。だから命懸けで、魂を込めて突っ走るしかない」と話していた通りに全力で走りきった。
これまで、長編歌謡浪曲3題を歌唱したのは4回のみ。最初は12年で最後は15年。今回は11年ぶりのチャレンジで“中村美律子健在”を示した。
後半では一転、オリジナル曲をズラリと並べた。「今日の公演は『一期一会の歌祭り』です。楽しんでください」とあいさつして「壺坂情話」でスタート。ファンの間で男唄として人気の「男の盃」と女唄で人気の「下津井・お滝・まだかな橋」を続けた後は新曲「人生万歳」。ファンと一緒に何度も“万歳ポーズ”を取り、歌唱後には「気持ち良かったわ。最高~」と笑顔を見せた。
2時間超で全14曲を披露したステージのラストを飾ったのは「河内おとこ節」。92年の紅白歌合戦初出場で歌唱し、それから15回出たうち8回も歌っている。「これを歌わないとステージが終わった気がしない」。代名詞的な曲でメモリアルステージを締めくくった。
36歳の遅咲きでメジャーデビュー。昭和、平成、令和と時代を超えて人々の心に寄り添う曲を歌い続けてきた。「ファンの皆さんが応援してくれるから40年やってくることができました。今日はあまりにも心地よくて、もうこれが最後かな…なんて思う一方で、いやいやきっと私は80周年までいってるかも分からへんななんて思ったりするんです。おおきに~」と生涯現役を誓った。