横溝正史の代表作を完全新作として映画化する「八つ墓村」(9月18日公開)を、ホラーの旗手として世界的に知られる清水崇監督(53)が手がけ、尾上松也(41)が主演し名探偵・金田一耕助を演じることが17日、分かった。松也は「まさか自分が金田一耕助役をやらせていただける日が来ようとは想像もしておりませんでしたので、とても驚きました」と大役に身を引き締めた。
「八つ墓村」は過去3度、映画化された。金田一役は、プリントが現存しないとされ、鑑賞できない東映製作の51年版(松田定次監督)は片岡千恵蔵さん、今作でソニーピクチャーズと共同で製作・配給を務める松竹が製作した77年版(野村芳太郎監督)は渥美清さん、東宝が製作した96年版(市川崑監督)は豊川悦司(64)が演じた。78年のTBS系ドラマでは古谷一行さんと、日本を代表する名優が演じてきた。
46年に雑誌「宝石」で連載された「本陣殺人事件」に金田一が登場して80周年に、製作陣は「『まったく新しい金田一耕助を作りたい!』そう思った時、真っ先に頭に浮かんだのが尾上松也さんでした」と松也の起用理由を説明。「伝統にとらわれず、常にエンタメの最前線にいる松也さんだからこそ、どこか人間らしくて共感できる等身大の金田一が誕生しました。普段のチャーミングな姿と、事件の核心に迫るシリアスな姿とのギャップは、まさに本作ならではの見どころです」と強調した。松也は「撮影をしている期間も、日に日に喜びが増すばかりでした。今回は清水崇監督の元で、新たな『八つ墓村』が誕生し、今までになかった視点・演出で横溝正史先生の名作が作り上げられているかと思います」と語った。
舞台も、戦後の昭和から令和に移した。名家・田治見家の遺産相続人の辰弥が、八つ墓村に帰ると連続殺人事件が発生する物語は同じだが、奥智哉(21)が演じる井川辰弥は、原作の化粧品会社社員から内定ゼロ、彼女なしの大学生に設定を現代風に変更。共同で脚本も手がけた清水監督は「偉大な原作、幾多の映像化、たくさんの原作ファン、金田一ファンに恐縮しつつ、覚悟して新たな『八つ墓村』、金田一像に臨みました。新解釈やオリジナル展開を盛り込みながらも、現代にこそ通じる人の闇と業を描いたつもりです」と説明した。
一方で、77年版のロケ地・岡山で撮影を敢行した。77年版で萩原健一さんが演じた辰弥を演じる奥は「歴史ある作品に携わることができ、大変光栄に思う一方で、大きな責任とプレッシャーも感じました。広兼邸や鍾乳洞での撮影は特に印象深く、作品が持つ歴史と重みを肌で感じました」と感謝。同版で小川眞由美(86)が演じた森美也子役を演じる堀田真由(28)も「長く愛され続けている金田一耕助シリーズの中でも、とりわけ多くの方の記憶に残る作品に参加させていただけることをとても光栄に感じています」と出演の喜びを口にした。「岡山での撮影は、美しい自然とどこか神秘的な空気に包まれ、1977年版のロケ地と同様の場所で、お芝居させていただくことができ、より作品の世界に深く入り込むことができました」と撮影を振り返った。
77年版で市原悦子さんと山口仁奈子が演じた双子の田治見家小竹・小梅の2役を演じる高島礼子も「子供の頃から大好きだった横溝正史さん原作の作品に出演するのは今回が初めてでしたので、ミステリー好きの私としてはとてもうれしかったです」と出演を喜んだ。「しかも、初挑戦となる双子役。主演の尾上松也さんは、最近ミュージカルや映画など幅広い分野で活躍されていて、その勢いのある松也さんと共演できることがとても楽しみでした」と続けた。
77年版で山崎努(89)が演じた田治見久弥・要蔵を演じた滝藤賢一(49)の思いは、ひときわ深い。「これ以上の大役がありますでしょうか。お話しをいただいた時は、『いやいや、さすがにコレは、ハハハ、無理っす』と尻込みしました。子供の頃に見た山崎努さんの田治見要蔵が強烈過ぎて、いまだに脳裏に焼きついておりますのに。ありがたいお話しですが、やってはならないと警告音がビービー鳴ってましたね」と1度は出演をためらったと吐露。「なのに、何故私はこの大役を受けてしまったのだろう…自分で自分を全く理解できません。気が付くと原作をむさぼるように読んでおりました。初日に撮影した鍾乳洞でモニターチェックをした時、そこには田治見要蔵がいました。世界に誇れるミステリー作品で、歴史上最悪の暴君田治見要蔵を演じさせていただけることに感謝しております」と感謝した。
他に、佐野岳(34)小野塚勇人(32)永瀬莉子(23)中村莟玉(29)笹野鈴々音(41)小籔千豊(52)中島亜梨沙(43)川瀬陽太(56)今野浩喜(47)渋川清彦(51)髙嶋政伸(59)も出演。