本田圭佑とのW杯コンビ話題のNHK小宮山晃義アナは熱くて純粋で謙虚で美声 ブレークも納得

FIFAワールドカップ2026メディア説明会で記念撮影する本田圭佑(右)と小宮山晃義アナ(2026年5月撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

話題沸騰、好感度急上昇も納得だった。5月下旬、サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会、1次リーグの日本-オランダ戦を実況した、NHKの小宮山晃義アナウンサー(42)に、日本を出発前にインタビューした。その時、特に印象に残ったのは、聞き心地の良い優しい声と、抑えられないサッカー愛だった。日本の初戦は、小宮山アナにとっても今回のW杯の実況初戦。しかも解説は、本田圭佑(40)という個性あふれる人。それでも現在のブレークを予感するような感覚になっていた。

「本日はよろしくお願いします」。188センチの長身が、深々と頭を下げてまさに平身低頭だった。その姿勢は最後まで変わらず、とにかく謙虚だった。自身も競技経験者で、サッカーは小学1年で始め、東京・暁星高では2学年上に元日本代表FWの前田遼一氏がいた。そんな名門で高校3年時にはレギュラーを務めた時期もある。それでも当時を振り返り「ヘディングの弱い大型ボランチでした。俊敏性…。なかったですね(笑い)」と謙遜しきり。前田氏は「雲の上の存在」と話し、今も尊敬するなど、まるで嫌みのない受け答えに終始した。

一方でサッカーのこと、実況することについては、熱く語っていた。

小宮山アナ 普段、サッカーに触れる機会の少ない皆さんが、ともに熱狂して、感動できるというのも、W杯の醍醐味(だいごみ)だと思います。W杯のメンバー26人に入ることが、どれほど大変なことか。1つ1つのプレーを丁寧に、分かりやすく伝えられればと思っています。

仕事への情熱、選手へのリスペクトが言葉の端々から伝わったのは、きっと視聴者も、本田も感じたことだろう。だからこそ、初タッグでも信頼関係が構築され、鎌田大地の同点ゴール後、話題となった実況席での2人のハイタッチにつながったと思う。何よりも小宮山アナは、本田に尊敬の思いを持って接していた。実は本田との思い出話を、こっそりと明かしていた。

小宮山アナ 初任地が名古屋で、その時、まだ本田さんが名古屋にいて。新人時代に、囲み取材で代表質問を初めて担当したのが、本田さんだったんですよ。もちろん、本田さんは覚えていないと思いますが『本田圭佑に今、自分が聞いてるんだ』と、新人時代の思い出として強く残っています。その時の本田さんの目力、すごく真摯(しんし)に答る人柄を覚えています。

小宮山アナにとって、W杯を初めて真剣に見て、記憶に残っているのが小学5年生だった94年米国大会だという。W杯の外国同士の実況は過去2大会経験し、日本代表のW杯以外の試合も実況経験はあった。唯一ともいえる、経験がなかったW杯の日本戦の実況を、米ダラスで初めて味わえることへの興奮を隠さなかった。

小宮山アナ 日本代表が(93年)「ドーハの悲劇」で初出場を逃した大会ですが、あの大会が、世界のサッカーに興味を持つ原点なんですよ。そこでまた開かれるW杯に関わることができるのは、すごいうれしいですね。オランダをそこで好きになって。今大会の監督のロナルド・クーマンも現役で出ていて。オランダは最後、ダラスでブラジルに負けているんですよね。悔しい思いをした地。クーマン監督のワンショットが抜かれたら、絶対にそれを言おうと思ってます。

試合中、クーマン監督のワンショットが抜かれた場面もあったが、このエピソードを披露することはなかった。本田が熱心に解説しており、事前に小宮山アナは「本田さんの邪魔をしない」と宣言していた通り、仕込んでいた“ネタ”は出さなかった。せっかく“ネタ”があるなら、出したくもなる。事前の準備、取材の成果を見せるのもアナウンサーの腕の見せ所だが、本田との中継の成功という“チームの勝利”を優先。小宮山アナの引き出しの多さ、懐の深さは、計り知れない。

福岡放送局に赴任中、今大会で2大会連続W杯代表入りのDF冨安健洋が、当時のJ2アビスパ福岡でプロデビューする前から取材していた。「身近にいた選手が欧州に挑戦し、日本代表の中心選手になっていくというのはロマンがありますよね」と、目を輝かせて話していた。サッカー少年が、そのまま大人になったような純粋さも魅力だ。心から日本代表を応援している。

小宮山アナ W杯は毎回、悔し涙で終わるので、ポジティブな表情で終わってほしいですね。18年ロシア大会はベルギーに大逆転され、22年カタール大会は南野選手の涙が印象的で…。ロシア大会はピッチレポーターで、西野監督、キャプテンの長谷部選手にインタビューしないといけなくて。こちらとしても、聞きたくない質問をしなくてはいけなくて…。見ていても辛かったですね。今大会はどのステージで終わるか分からないですが、仮に敗れたとしても、ポジティブな「やり切った」という充実の表情で終わってほしいですね。

次の本田と小宮山アナのタッグについて、NHKの担当者は「未定」という。だが今大会決勝の実況を小宮山アナが務めることは、すでに決まっている。もしも日本が決勝に進み、そこで本田とタッグで放送席に並ぶようなら…。日本-オランダ戦を大きく上回る話題は必至ともいえる、歴史的なスポーツ中継を見てみたいと、心から思っている。【高田文太】