河瀨直美監督(57)がエグゼクティブディレクターを務め、2010年(平22)のスタートから奈良市で2年に1回、開催される「なら国際映画祭2026」が、9月19~23日までの5日間、開催することが24日、発表された。
初日の19日には20年以来、6年ぶりに世界遺産・東大寺の大仏殿前で祈りのレッドカーペットを実施。河瀨監督がテーマ事業プロデューサーなどを務め「Dialogue Theater-いのちのあかし-」をプロデュースした25年の大阪・関西万博の公式キャラクターのミャクミャクも登場。奈良県のマスコットキャラクター・せんとくんとの初めての遭遇も予定し、東大寺大仏殿前で、映画と祈りが交わる時間をともにする。
河瀨監督は「2025年大阪・関西万博は、国内外から2900万人が集う『いのち』をテーマとした祭典として、大きな成功を収めました。その想いは未来へと受け継がれ、各地で新たな芽を育んでいます」と、今回のなら国際映画祭が、大阪・関西万博に連なるものであることを示唆。「今年9回目を迎える『なら国際映画祭』は、世界遺産・東大寺大仏殿前に『祈りのレッドカーペット』を敷き、皆さまとともに世界の平和を祈ります。ミャクミャクとせんとくんが手をつなぐ道ゆきの先に、世界の映画と祈りが交わり、響き合う時間があります。5連休は、千三百年の古都・奈良で、心を鎮めるひとときをお過ごしください」と呼びかけた。
併せて、今回のテーマ「CROSS」をイメージしたメインビジュアルも解禁された。デザインコレクティブ「Flowplateaux」を主宰するアートディレクター・木村浩康氏が、前回24年開催の第8回に続き、アートディレクションを担当。前回のグラフィックは、「Dialogue with(対話する)」をテーマに、異なる視点や意見が交わることで新たな発見が生まれるという映画祭の理念を表現し、アジアを代表する国際的デザインアワード「DFA Award 2025」を受賞。今回は「9th NARA International Film Festival」のテキストを際立たせながら「CROSS」の文字を情報としてではなく、円形のビジュアルと呼応するアートワークとして配置。特に「O」は円のモチーフと重なり合い、文字と図形、意味と形態の境界を横断する存在として機能している。
木村氏のコメント全文は、以下の通り。
2024年のテーマDialogue withでは、対話の重要性をグラフィックの基点とし、2つのObjectが重なることで新たな模様が生まれるデザインシステムを構築しました。2026年のテーマCROSSでは、その対話を一過性のものとして終わらせるのではなく、世代と世代、日本と世界、文化と異文化など、より多層的な関係性へと拡張しています。今年のグラフィックでは、2024年に設計した対話をベースにした構造を引き継ぎながら、より多くのObjectが交差し、重なり合うことで、多様なパターンが生まれていくシステムへと発展させました。それは、奈良という土地から世界へ文化を発信し、映画を通じて人や地域、時代をつないできた「なら国際映画祭」の姿勢とも重なります。異なる背景や価値観が出会い、交差し、その先に新しい表現や関係性が立ち上がっていく。今年のグラフィックでは、そうしたCROSSのあり方を、ひとつの固定されたシンボルではなく、重なりによって変化し続ける視覚システムとして表現しています。今年もまた、この映画祭から生まれる数多くの交差と出会いを楽しみにしています。
◆なら国際映画祭 奈良の平城遷都1300年にあたる10年に、河瀨監督をエグゼクティブディレクターに迎えて始まった。インターナショナルコンペティションをはじめ、NARA-wave学生映画コンペティションを軸に、ユース映画制作ワークショップ作品、なら国際映画祭オフィシャルパートナーのベルリン映画祭(ドイツ)スポットライトジェネレーション部門優秀作品、公式アンバサダーの別所哲也(60)が代表を務めるアジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)の優秀作品など、多彩な映画作品を上映してきた。