35年目の音楽劇「命のコンサート『赤毛のアン』」主役のアンを9人が演じる

音楽劇「命のコンサート『赤毛のアン』」の制作発表。前列左から長谷直美、瀬戸内美八、井上高志、小池雅代氏、モト冬木

1992年(平4)に始まった音楽劇「命のコンサート『赤毛のアン』」が7月19、20日に東京・丸の内の東京国際フォーラムで3回にわたって上演される。

11歳の赤毛の少女、アン・シャーリーが年老いたマリラとマシュウの兄妹に孤児院から養子に迎えられる。困難を乗り越え、明るく強く生きるアンの姿を音楽とダンスを交えて描く。マリラを元宝塚トップスターの瀬戸内美八、マシュウを井上高志(76)が演じる。他にモト冬樹(75)、長谷直美(70)らが出演する。

主役のアンは子供時代、少女時代、大人時代とひとつの舞台で3人の少女が演じる。主催の国連クラシックライブ理事長で芸術監督を務める小池雅代氏は「今回は3公演で、アンは9人の女の子に演じてもらいます。人数が多くて大変だと思われるでしょうが、過去には5回公演で15人という時もありましたから大丈夫です。30年以上続けていますが、一番大変だったのは2020年のコロナ禍。公演が中止になったり、延期になったり。それに比べれば、協賛やお金を集めたりするのは大変だけどやりがいもありました」と振り返る。

93年には米ニューヨークで英語で上演。中国、ドイツ、スイス、フランス、韓国などでも上演した。「芸術を通して、何かを伝えたいという思いがありました。私はピアノが専門だったんだけど、1人でピアノを弾いていてもつまらなかったから」と笑う。00年に文化庁の海外研修生としてニューヨークでジュリアード音楽学院に通った。「ピアノだけでなくオペラ、室内楽、演劇、ダンスを見て学んで世界が広がって、また舞台を作る意欲がわいてきました」。

35年もやっていると、かつての子役が、子供を出演者として連れてくることもある。「親子2代の出演はうれしいですね。そのうち3代目が現れるまで頑張らなきゃ(笑い)。ここまでやってこられたのは応援してくれる人と、何より出演者の頑張りのおかげ。海外公演なんて、せりふが外国語。私はとてもできないけど、ものすごく練習させました」と話している。

これからの課題は「AIを、どう舞台に取り入れていくか」だという。「避けていてもしょうがない。私が分からなくても、幸いかつての出演者でスタンフォードやハーバードに進学した人がいるので助けてもらえる。国境も、年齢も関係ない。うちのモットーは『できたところだけ出ようね』。目が見えなくても、歌うことはできる。障がいがあっても、一緒に勉強しながら学んでいけます。無理せず楽しみながら、舞台をやっていきたいと思っています」と話している。【小谷野俊哉】