後藤久美子の事実婚解消で思い出す、3年前の微妙なコメント

後藤久美子(2023年撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

女優後藤久美子(52)が先日、元F1レーサー、ジャン・アレジ氏(62)との30年に及ぶ事実婚を解消したことを明らかにした。

事務所を通じて「私事で大変恐縮では御座いますが、長きに渡り日々を共にしてまいりましたジャン・アレジ氏とは、パートナーシップを解消し、それぞれの道を歩む事となりました」とコメント。今後については「形を変えた愛情の元、互いを思いやりながら、子供達の成長を見守ってまいりたいと思います」とし、理由には触れなかった。

3年前のインタビューで、アレジ氏について語った微妙なコメントを思い出した。

アレジ氏との交際が始まって以来、生活の拠点がフランスやスイスだったこともあり、それまで「夫」に関するコメントを見聞きしたことがなかった。そこで、そもそもどんなところに引かれたのかー聞かずにはいられなかった。

「そんなこと聞かれたことなかったですねえ。う~ん。まったくそういうつもりはなかったんですけど、レースを見て、ああいうレースをする人が、こんなにちんまりとおだやかな時もあるんだという、そういうギャップがすてきだと思いましたね。でも、最近はおだやかな様子を見せる時ってあんまりありませんね。きっとそういうお年頃なんでしょうね」

改めて振り返ると、ずいぶん突き放した言い方である。「う~ん」の後に長い間があったことを覚えていたので、当時の録音を聞き直してみると、実際そこには約40秒の空白があった。

担当者から取材時間終了を告げられた後の質問だったので、「アレジ氏も男の更年期なのか」などと思いながら、切り上げてしまった。

後藤が30年ぶりにドラマ出演した「顔」(24年1月)の放送を前にしたインタビューだった。その頃には事実婚解消と、それを機に少しずつ女優活動へ軸足を移そうという考えを胸に秘めていたのだろう。

「ゴクミ」と呼ばれた14、15歳の頃に何度も取材したので、その人気ぶりと「ノロマな大人は大嫌い!」などの発言に象徴されるとんがりっぷりを目の当たりにしている。そんな全盛期にアレジ氏との交際を機にあっさりと日本の芸能界を離れた姿に、同様の経緯で渡仏した往年の名女優の姿が当時から重なってみえた。

映画「君の名は」(53年)の大ヒットで文字通り国民的人気となりながら、その4年後、フランスの映画監督イヴ・シャンピ氏との結婚を機に渡仏した岸惠子(93)だ。

才気あふれる岸にはその後も熱烈オファーがあった。7年前に岸を取材した時に「市川(崑)先生がパリまで訪ねていらっしゃったんです」と映画「おとうと」に出演したいきさつを聞いたことを覚えている。

実は後藤にも同様のことがあった。8年前、例外的に出演した「男はつらいよ お帰り 寅さん」である。

3年前の取材でも「山田(洋次)監督からの長いお手紙で、新作への情熱をひりひりと感じたんです。読み終えるころには引き受けるか否かを私が考える権利すらないような気がして」と振り返っていた。

75年、シャンピ氏と離婚した岸は日本での活動の幅を一段と広げていった。後藤の今後の活動もこれに倣うのだろうか。【相原斎】