報ステ大越健介氏、皇室典範改正案めぐり「大急ぎで採決に持っていきたい思惑がうかがえます」

大越健介キャスター

テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の大越健介キャスターは9日夜の放送で、政府が閣議決定した皇室典範改正案が10日の衆院での審議をへて同日に衆院を通過する見通しであることについて「皇族数の確保というテーマでスタートした今回の改正論議が、皇位継承というテーマの方に実質的な重心が移っている現実は見逃せません」と指摘した。

この日の放送では、皇室典範改正案をめぐる高市早苗首相の答弁を伝えたほか、政府の閣議決定内容に、「立法府の総意」としてとりまとめられた具体策(<1>女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する<2>「旧宮家」の男系男子を養子として皇族に迎える)に加えて、養子本人は皇位継承資格を持たないが、結婚後に養子に生まれた男子は皇位継承資格を持つことが明確にされ、「立法府の総意」にはない内容が突如盛り込まれたことにも言及。養子の子どもの身分については、これまで各党の代表者による全体会議でも十分に議論されていなかったことから、野党の中には政府のやり方に「だまし討ち」と批判する声があると報じたほか、「自民党内部でも、疑問の声が上がっています」と伝えた。

中道改革連合が求めていた、改正案の「付帯決議案の修正」に対し、自民党が応じない構えを示したとした上で、その背景について「改正案はいろいろな意見を最大限入れてつくったガラス細工。修正を加えると壊れてしまう」という自民党内の意見もあると、ナレーションで伝えた。

VTR後、大越氏は「ガラス細工の改正案だけに、ひび割れが広がらないうちに大急ぎで採決に持っていきたいという思惑がうかがえます」と、自民党の「思惑」にチクリと言及。その上で、「皇族数の確保というテーマでスタートした今回の改正論議が早くも、皇位継承というテーマの方に、実質的な重心が移っている現実は見逃せません」とした上で、「それは、今回皇室典範改正案が成立しても、皇位継承のあり方の議論は今後も避けて通れないことを意味しているのだと思います」と訴えた。

改正案は今国会で成立する見通しだが、大越氏は、皇室典範改正に対する国民的な関心が十分に広がっていない段階での改正の動きであることを念頭に、「しかも国民的議論はまだまだ熟しているとは言えないだけに、この問題については、議員のみなさんの継続的な努力をお願いしたいと思います」と、改正案の賛否判断に当たる議員に呼び掛けるように語った。