NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で織田信澄を演じた俳優の緒形敦(30)が12日、NHKを通じてコメントを発表した。この日放送された「豊臣兄弟!」の第27回は「本能寺の変」。織田信長(小栗旬)が明智光秀(要潤)の謀反により、天下統一の悲願を目前で逃すという、物語の節目だった。
緒形が演じた信澄は、信長のおい。かつて、信長への謀反が発覚して暗殺された、信長の弟・信勝(中沢元紀)の子だったが、助命されて織田一門衆として長く信長を支えていた。ただ、この日の第27回で、それは心を偽っての行動で、幼少から父の無念を晴らすべく、信長への敵討ちの思いを抱き続けていたことが判明。義父の光秀に、信長への謀反をたきつける“黒幕”として描かれた。
信澄は前週の26回で、後に「豊臣兄弟」となる、兄秀吉(池松壮亮)、弟小一郎(仲野太賀)ら羽柴家のはからいで、1度は謀反の疑いが晴れていた。だが、光秀に初めて心の奥底に秘めた思いを明かし、光秀を本能寺へと向かわせる人物として描かれた。これまでの大河ドラマで描かれた「本能寺の変」とは一線を画す、新解釈、新展開となるキーマンを演じきった。祖父の緒形拳、父の緒形直人に続く、3代にわたる大河ドラマ出演。母には仙道敦子を持つ、俳優一家に育った緒形敦が、初出演の大河ドラマを振り返った一問一答は以下の通り。
-「豊臣兄弟!」に出演して
緒形 父が織田信長役を務めた大河ドラマ「信長KING OF ZIPANGU」を小学生のときに見たことがきっかけで、歴史に興味を持つようになりました。なかでも一番好きなのが戦国時代です。なので、今回出演が決まって本当にうれしかったですし、織田信勝の息子・信澄という大きな役を任せていただけたことを、とても幸せに感じています。
撮影現場は男子校のような雰囲気で、最初にごあいさつさせていただいたときも、皆さんが「うぇーい!」と盛り上げてくださって(笑い)。みんなで作り上げていこうという意気込みを感じましたし、とてもアットホームな環境でお芝居をさせていただきました。
-共演者の印象について
緒形 主演の小一郎役・(仲野)太賀さんは周囲への気配りが行き届いていて、誰にでも気さくに話しかけていらっしゃいます。現場にいるみんなを幸せにしたいという思いがひしひしと伝わってきて、とても尊敬する方です。また、秀吉役の池松(壮亮)さんとは、「本当の兄弟では?」と思うくらい、お芝居以外の場面でも仲が良く、その自然な関係性がそのまま映像にも表れているように感じます。
信長を演じる小栗旬さんは、自分にとっては憧れの存在です。その憧れは、信澄の信長への思いにも通じるものがあると感じています。信澄は信長を憎みながらも、同時に憧れと尊敬の念も抱いていたのではないかと感じていたので、その複雑な感情を大切にして演じました。小栗さんもとても気さくな方で、撮影の合間にもいろいろとお話させていただきました。
-「本能寺の変」までの経緯について
緒形 今作では「兄弟」が大きなテーマとして描かれています。秀吉・小一郎らとは対照的な信長・信勝兄弟の関係性と共に、信澄も兄弟の因縁の流れをくむ重要な立ち位置にいる人物です。信澄は、母・ちよ(樋口日奈)から「必ずや信長を討て」「織田家を継げ」と、ある種刷り込まれるように言い聞かされて育ちました。その思いをずっと胸に秘めながらも信長に仕えているので、ミステリアスな雰囲気を大切にして演じました。
ただその一方で、信長の存在はあまりにも大きく、自分もそこに到達したいという思いがあったはずです。だからこそ、どこかで敬う気持ちを持っていた。その上で父の無念を晴らすという信念も抱いている。そうした人間らしい揺れを大切にしながら演じました。それが、今回の信澄らしさにつながっていたらいいなと思います。