女優今泉佑唯(27)が、昨年春の芸能活動再開後としては初となる、ゴールデン帯のテレビ番組に出演することになった。
14日放送のフジテレビ系ドラマ「さよならノワール」(火曜午後9時)第2話で、常連客にだまされ、不動産投資詐欺で2800万円もの被害に遭う、キャバクラ勤務の佐藤茂子役を演じる。12日までに日刊スポーツのインタビューに応じ、主演の小池栄子や北香那との撮影裏話や、芸能活動再開を決意した経緯、今後への思いなどを語った。【高田文太】
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爽やかな中に、華やかさと落ち着きのある黒地のワンピース姿は、初めて演じたキャバクラ嬢役の影響だった。インタビュー場所に現れた今泉は、この日の衣装について「肩を出す服が多かったので自然と選んじゃいました」と、少し照れながら笑った。今年1月期のテレビ東京系深夜帯に続き、芸能活動再開後としてはドラマ出演2作目。「さよならノワール」に臨んだ約1カ月半にも及ぶ撮影期間も、撮影クルーの規模もこれまでの芸能活動の中で最大級で、自然と私生活にも役の影響が出たという。
今泉 (撮影前の)衣装合わせで、監督さんに初めて会った時に「この役は難しいですよ」と言われました。この役を、どう解釈するのが正解なのか、ずっと考えているうちに、役に引きずられる感じで「私もだまされたかもしれない!」と、プライベートでも落ち込み始めちゃって(笑い)。プライベートと役のオンオフが、うまくできない時期が最初はありました。すごく悩みました。
キャバクラ嬢という華やかな仕事をする一方で、2800万円という大金の詐欺被害に遭った、影のある難しい女性を演じた。現実に詐欺被害は後を絶たず、誰にでも被害に遭う可能性が高いと今泉も感じていただけに、余計に役にのめり込んでいったという。
今泉 どこか自分と重なっちゃう部分もあって。優しくされるとダメ。人を信じちゃう(笑い)。「分からなくもないな」と思いながら、台本を読んでいました。
内心で葛藤を繰り返す難しい役柄に加え、何げなく見える接客シーンも、一筋縄ではなかったと明かした。
今泉 キャバ嬢というのが初めての役柄だったんですよ。なので、分かるようで分からなくて。行ったことがなかったので、立ち居振る舞いも分からなかったですが「ガハガハ」と笑わないように、なるべくお上品にできたらいいなと思ってやりました。あと、普段は履かないハイヒール、しかも15センチぐらいあるハイヒールを履くのが難しかったです。ペンギンみたいな歩き方になっちゃうぐらい高くて(笑い)。そこから名刺を出すんですけど、ハイヒールの高さに気を取られるので難しくて。本番までに、めちゃくちゃ練習しました。普段から、それで歩いているように“初日感”が出ないように見せないといけないので。接客シーンが一番不安だったかもしれないですね(笑い)。
キャバクラでの所作を指導する、専門家はいなかったため、深く知るためにリサーチも繰り返した。
今泉 自分で調べたり、メイクさんや衣装さんに行ったことがあるかどうか聞いたりしました。最近は女性でも行くので、2人ぐらい、行ったことがある方がいて、いろいろと聞きました。
小池や北との共演も初めてだったが、温かく迎えられ、すぐになじんだという。
今泉 小池さんは「テレビのままだ!」って思いました(笑い)。私がすごく緊張していたのですが、すごく気さくに話しかけてくださってうれしかったです。北さんは、私のことをテレビで見て、すごく身長が高いと思っていたみたいでして。160何センチとか(実際は153センチ)。「小さくてビックリしました」と言われました(笑い)。あと、どしゃ降りのシーンがあったんですけど、それが3月下旬で、舌が回らなくなるほどすごく寒い日で。みんなで毛布にくるまって、温かいコーンスープを飲んだのが印象に残ってます。ちなみに小池さんは湯船につかった後、ビールを飲んでいました(笑い)。
ゴールデン帯で放送される「さよならノワール」は、深夜帯での出演が多かったこれまでよりも、幅広い世代の視聴が予想される。
今泉 今から火曜日(14日)が来るのが怖いんですよ。その日は、あんまりSNSと見ないように…。と言いつつ、見ちゃう、みたいな(笑い)。見ないでほしいとも思いつつ、見てほしい。あまのじゃくなんです(笑い)。
22年10月に、1度は芸能界から引退したが、昨春に活動を再開した。1年余りが経過したが、再開後としては初のゴールデン帯のドラマ出演で、膨大な量のセリフが与えられた。
今泉 「今までどうやってセリフを覚えていたんだっけ?」から始まりました。覚え方が分からなくなっていました。それまでは舞台がメインで、また覚え方も違いますし。1発で撮っていく監督さんで、事前に「NGを出せない現場」と聞いていて、実際にクランクインしたら本当に全部1発で撮っていたので、プレッシャーもすごくありました。「NG出したらどうしよう」「急にセリフが飛んだらどうしよう」って…。でも、台本をいただいた日から、ずっと読んで「大丈夫、自分はずっと舞台をやっていたから」と言い聞かせて臨んでいました。そう思っていないと、たぶん、自分を保っていられないなかったので。小池さん、北さんにご迷惑を掛けられないというのもあって、途中、休み休みではありましたけど、最後まで1カ月半、ずっと緊張していました。でも「こんな感じで撮っていくんだ」って、すごく勉強になりました。
苦労を重ねて完成した作品だけに、感慨もひとしおだったようだ。
今泉 こんなに自分が出ている回を見ることがなかったので、それまでは恥ずかしさの方が勝っていて、見たことがなかったんですけど「ちゃんと見ないと」と思って、初めて見ました。まだ、恥ずかしさはありつつ、夢にも出てくるぐらい不安もありますが、たくさんの方に届いたらうれしいなっていう気持ちです。褒められて伸びるタイプなので、ウソでも褒めてほしいです(笑い)。
演じた佐藤茂子に勝るとも劣らないほど、悩みながら日々を過ごし、ドラマがオンエアを迎えることになった。随所で不安を口にしつつも、終始笑顔で振り返っていたことが、何よりの自信と充実感の証明。女優として着実にステップアップを踏んでいる。
◆今泉佑唯(いまいずみ・ゆい)1998年(平10)9月30日、神奈川県生まれ。15年8月、欅坂46の一期生オーディション合格。18年11月に欅坂46卒業を卒業後は、舞台などで主に女優として活動。22年10月、芸能界引退を発表。25年3月に芸能活動再開を発表。153センチ。血液型O。