山田五郎さん“尻学者”として「タモリ倶楽部」で人気に 研究の成果を本にまとめる

山田五郎さん(2023年9月撮影)

編集者、評論家の山田五郎さん(本名:武田正彦、たけだ・まさひこ)が67歳で亡くなっていたことが22日、分かった。自身のYouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」内で発表した。14日夕方に亡くなり、19日までに葬儀を終えたとした。

山田さんの知名度を一気に上げたのは、講談社在籍中に「尻学者」として出演していたテレビ朝日系深夜の名物番組「タモリ倶楽部」(1982年10月~23年4月)だった。同番組のオープニングは、ロイヤル・ティーンズの「ショート・ショーツ」の旋律に合わせ、女性たちが画面の前でお尻を振る映像で始まる。山田さんはその「お尻を振るタレント」を選ぶオーディションの審査員も務め、さまざまな女性のお尻を品評していた。

山田さんはドイツ語で「尻学者」を意味する「ヒュフテビッセシャフター」を名乗り、番組に出演。90年11月から水着ギャルのお尻を批評するコーナー「尻分析」を担当し、多様なお尻に「和尻」「洋尻」や「丸尻」「角尻」などと分類していた。

山田さんがたどり着いた、お尻理論の基本は「お尻の2大体系」。その1は「多産が待望される伝統農業社会では、大尻が好まれる」。その2は「少なく産んで高等教育を授けようとする近代社会では、小尻が好まれる」。山田さんによれば、ルネサンス時代のカトリック美術には大尻の女性画が多く、宗教革命以後のプロテスタント近代都市ではシャープな小尻が流行しているという。

研究の成果を92年6月に「百万人のお尻学」(講談社刊)としてまとめた。まじめな古典美術書から怪しげなSM雑誌まで参考文献5000冊を読破し、執筆には半年かかったという。5章からなる「百万人--」のラインアップは、(1)尻学原論(2)お尻の西洋美術史(3)お尻のファッション史(4)お尻と写真の変態史(5)お尻の戦後史だった。

山田さんは1958年(昭33)12月5日、東京都生まれ、大阪育ち。北野高OB。上智大新聞学科卒業後、講談社に入社。若手雑誌「ホットドッグ・プレス」などを手がけた。04年に退社後はフリーランスでコラムニストや編集者としても活動。25年7月には、第17回伊丹十三賞を受賞。

山田さんは2024年にステージ4bの「原発不明がん」であることを公表、がんが骨に転移し圧迫骨折を起こしたことや、抗がん剤治療を行うことなどを明かしていた。

山田五郎さん死去 67歳 評論家、編集者、タレントなどマルチに活躍 24年に原発不明がん