出口夏希(24)と蒔田彩珠(23)がダブル主演する是枝裕和監督(63)の新作「ルックバック」(9月11日公開)が、9月2日にイタリアで開幕する世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭で最高賞・金獅子賞を争うコンペティション部門に出品が決まった。映画祭事務局が23日、発表した。同監督作のコンペ部門への出品は、金のオゼッラ賞を受賞した95年の監督デビュー作「幻の光」、17年「三度目の殺人」、19年「真実」に続き、4度目のコンペ部門出品となる。
「ルックバック」は、藤本タツキ氏(33)の漫画の実写化作品で、出口が4コマ漫画が得意なクラスの人気者の藤野、同学年の藤野の4コマ漫画の大ファンで、ひきこもりでひたすら絵を描いていた京本を蒔田が演じる。是枝監督は映画祭に参加し、出口と蒔田も初参加を予定している。出口は「特別な場所に、是枝監督と一緒に行けると聞いてすごく嬉しいですし、とてもワクワクしています」と期待。蒔田も「いつか是枝監督と海外の映画祭に行くことが夢だったので、出品が決まって、とてもうれしいです」と喜んだ。同監督も31年前、僕のデビュー作を上映してくれたベネチア映画祭でこの作品を再びお披露目出来ることに特別な感慨を抱いている」と喜びをかみしめた。
作品関係者のコメント全文は、以下の通り。
是枝裕和監督(脚本・編集)コロナ禍で「不要不急」にカテゴライズされた職業に従事していた人間は、自分が心血を注いできた対象への愛や時間を否定されたような気がしてしばし、立ち止まり、悩んだのではないか?
自分のしてきたことはその程度のものなのか、と。まさに僕自身がそうだった。
そんな丸まった自分の背中を優しく抱いて背筋を伸ばし、もう一度前を向いて歩かせてくれたのが藤本タツキさんの『ルックバック』だった。
感謝しかない。なので直接お会いして「作って頂いてありがとうございました」とお伝えした。しかし、それはゴールではなくスタートだった。
帰り道、自分は自分の仕事としてこの感謝を形にしようと覚悟した。
31年前、僕のデビュー作を上映してくれた
ベネチア国際映画祭でこの作品を再びお披露目出来ることに特別な感慨を抱いている。是枝裕和
出口夏希(藤野役)
ベネチア国際映画祭という特別な場所に、是枝監督と一緒に行けると聞いてすごく嬉しいですし、とてもワクワクしています。
『ルックバック』は、時間をかけて積み重ねてきた大切な作品なので、この作品に関わる方の思いも含めて日本だけではなく、様々な国の方に知ってもらえることや、観てくださるみなさんがどう感じていただけるか、すごく楽しみです。
蒔田彩珠(京本役)
いつか是枝監督と海外の映画祭に行くことが夢だったので、今回、『ルックバック』がベネチア国際映画祭コンペティション部門への出品が決まって、とても嬉しいです。
撮影している時から、この作品は絶対にたくさんの人の心を揺さぶるものになるはずだと思っていたので、より多くの方に見ていただけること、日本だけではなく、いろんな国の方の感想が聞けることが、今から楽しみです。
企画の小出大樹プロデューサー 先日、スタッフやキャスト、関係者のみなさんと一緒に、完成した作品を初めて観る、初号試写を迎えることが出来ました。
試写後には、原作者である藤本タツキさんが是枝監督に興奮気味に撮影方法や演出に関して質問されて、是枝監督が照れながらも嬉しそうに答えていたり、藤野役の幼少期を演じてもらった七瀬さんが初めてスクリーンで観る自分を少し恥ずかしかったといいながらも満足げな顔をしていたり、秋田県にかほ市の四季をこだわりぬいて撮影してきたカメラマンの上野さんとお互いを讃えてハグしたり、ロケーションで重要な道をみつけてくださった、にかほ市観光課の方がもう号泣しすぎてなにも話せなくなっていたり、と、そういう姿をあちらこちらで見ることが出来て、プロデューサーとしてはこれ以上に緊張しつつも、幸せな時間はないと思う瞬間でした。
そんな、みんなで力を尽くして作った『ルックバック』がお客さんに初めて観ていただけるワールドプレミア、世界初上映を、ベネチア国際映画祭で迎えられることは、幸運であり、光栄なことだと感じています。9月2日から始まるヴェネチア国際映画祭から間をおかずに、日本では9月11日に公開される今作を、日本のお客さんにも劇場で観てもらいたいです。
海外、日本を問わず、鑑賞後のお客さんからいただくリアクションや感想に接することもまた、プロデューサーとしてはこれ以上に緊張しつつも、幸せな時間になることはありません。
作品を楽しみにしていただければと思います。