長嶋一茂「ドジャースまで分断されては困る」数人欠席のトランプ大統領表敬訪問に「相当疑問」

ホワイトハウスのローズガーデンでトランプ米大統領に反応するドジャース大谷翔平(右端、ロイター)

元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂は24日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に生出演。昨季のワールドシリーズで連覇したドジャースが23日(日本時間24日)、ワシントンDCのホワイトハウスにトランプ米大統領を表敬訪問したことに対し、疑問をまじえながら、「政治とスポーツ」の観点から、複雑な思いを吐露した。一部の選手が参加しなかったことに触れ「アメリカは今、トランプ氏の言動で分断している。ドジャースまで分断してもらったら、すごく困る」と懸念を示した。

番組では、ドジャースのロバーツ監督や大谷翔平投手、山本由伸投手、佐々木朗希投手らチームメンバーがスーツ姿で、ホワイトハウス中庭でのセレモニーに参加した様子を速報で伝えた。トランプ氏が、大谷を「世界的レジェンド。最高の投手と最高の打者に同時になる、信じられないことをやってのけた」と大絶賛し、大谷や山本と握手をかわすシーンを放送。一方で数人が欠席し、ムーキー・ベッツやキケ・ヘルナンデスは参加しなかったことも伝えた。ベッツは家族との時間を過ごしたいとの理由だが、トランプ氏の移民政策をめぐり国内で批判が強まる中、プエルトリコ出身のヘルナンデスは、自身のSNSで、ファンから行かないよう求められた際、「おれは行かない」と投稿し、その後削除されたものの波紋を広げたとも伝えた。

ドジャースの地元ロサンゼルスでは昨年、トランプ氏肝いりの移民税関捜査局(ICE)による不法移民一斉摘発が起きた際、当局と抗議活動参加者との間で衝突も起きた。番組では、地元紙ロサンゼルス・タイムスの名物コラムニストが、今回のチームのホワイトハウス訪問を「空気が読めないのか」「ファンへの侮辱だ」などと批判したことも伝えた。トランプ氏をめぐっては、FIFAワールドカップ2026(W杯)北中米大会で物議をかもしたさまざまな振る舞いも記憶に新しく、「スポーツの政治利用」への批判が強まっているとも報じた。

一茂は、今回のホワイトハウス訪問についてコメントを求められ、スポーツと政治の関係に関して言及。「これは別に今に始まったことではなく、もともと政治家は人脈の広さみたいなものをアピールする。たとえば、今回ドジャースであれば、ドジャースファンを自分のファン(支持者)に取り込みたい。もっと言うと、大谷選手や山本選手のファンに自分に1票投じてもらいたいという思いは当然、あると思う」と指摘。「そこに、ドジャースの選手たちが行くのはどうかという疑問が投げかけられるのは、僕は当然のことだと思います」とし、地元紙の批判の声に理解を示した。

その上で「プロのスポーツ選手側が政治家を利用するということはあまり聴いたことはないんですが、どうしても政治家側がスポーツ選手側を利用するということは、残念ながら、日本国でもありますね、正直言うと」と、私見を示した。 さらに「これってどうなのかなって。スポーツは、人種偏見や国境がないところにあると、僕はずっと信じていますし。だから国が違って戦いがあっても、終わったらノーサイドというのがスポーツの精神のあり方だと思っている。そこに、トランプ大統領が今やっていること、イラン攻撃も含めて、まったく対極に位置する所にいる方と、なんでこうやって、ホワイトハウスに呼ばれたからといって行くのかなと。疑問では、相当あります」と、あらためて指摘。「スポーツ振興にもっと貢献するならいいんですけど、ドジャースの2連覇はだれでも知っている。もっと懸念したのは、ここに参加していないキケ・ヘルナンデスだってムーキー・ベッツだったり。(トランプ政権による)不法移民の問題で来ていないと、ぼくは勝手に推測していますが、今、アメリカはトランプの言動で分断しているじゃないですか。これが、ドジャースまで分断してもらったら、すごく困るというふうに思います」とも述べ、懸念を示した。

その上で「スポーツ選手側と政治家との関係性は、やっぱりもう、ちゃんと考えた方がいいのではないかと思います」とも語った。