女優杏(40)が、13代目市川團十郎白猿(48)の襲名を追ったキュメンタリー映画「襲名」(9月25日公開、三池崇史監督)でナレーションを務めることが29日、分かった。
同作は360年続く歌舞伎界の名門・市川家に受け継がれる最大の節目「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」を真正面から捉え、市川團十郎白猿と息子・市川新之助の親子同時襲名披露公演の舞台裏と、コロナ禍での2年半の襲名延期をも乗り越え実現したその歴史的瞬間を記録したドキュメンタリー作品。3年以上の撮影を敢行。團十郎の姿を通して「継承」と「個」の葛藤を描いた。
三池監督たっての希望で、ナレーションを担当した杏は「歌舞伎という世界からも注目されている日本にとってとても大きな文化を題材にした、市川團十郎の襲名を追ったドキュメンタリーのナレーションの大役をいただいてよいのだろうかという気持ちと…三池監督にぜひと言っていただき、恐縮しながらもうれしい気持ちがありました」とオファーを受けた当時の心境を明かした。
三池作品への参加は11年公開の実写映画「忍たま乱太郎」以来15年ぶり。「(市川團十郎親子に)遠い親戚のような親しみを持ちつつ、顔見知りというほどではないような距離を保ったまま、文化的に硬くなりすぎず」という監督の演出を受けて、収録を進めたという。杏は「昨今のフランスでの日本ブームの中でこの映画を通していろんな方々が歌舞伎や日本を知りたいと思ってもらえたらいいなと思いました。(フランスで)公開するのも楽しみです」と期待を込めた。
三池監督も「感動の押し売りにはヘドが出る。過度な演出は十三代目團十郎と八代新之助には必要ない。そんな映画を、『優しさ』と『強さ』と『しなやかさ』でそっと包んで欲しかった。ならば杏さんしかないね、と確信を持ってナレーターを依頼した。快くお引き受けいただいた。果たして、傑作が生まれた。感謝です」とした。團十郎も「とても素晴らしかった。淡々とする中で品格の良さがある-と思いました」とコメントを寄せた。