<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
STARTO社のCDデビュー前のタレントたちは、肩書が「ジュニア」と称される。以前、STARTO社のあるタレントがジュニアのライブを観に行くのが好きだと、メディアで言っていた。CDデビューを目標としていたり、グループの結成を目指していたり、はたまた純粋にステージを楽しんでいたりとベクトルの向きはさまざまだが、その姿にはがむしゃらさが宿る。そこに当時の自分を重ね、初心に返るような感覚になるという。
先日、マスコミ取材日でジュニア内グループ「ACEes」のライブを鑑賞した。ふと先述の言葉を思い出し納得した。全身を使ったパフォーマンスはもちろん、発する言葉、その空間で生まれる全てが“ポジティブ”の宝庫だった。
ライブ前の囲み取材で浮所飛貴(24)は、殻を破ろうとするかのように言葉にした。「パッと見るとキラキラな衣装を着ていて、“いい子たち5人組”って風に見てくれる方が多いと思うんですが、内側で燃えてる炎の威力がすごくって。なんて言ったらいいのかわかんないけど、この熱さみたいな情熱を感じ取ってもらいたいなと思います」。
5人は5月31日に活動を終了した「嵐」のラストライブのバックダンサーとして参加。そこで得た学びは多い。那須雄登(24)は「端から端まで1人1人を楽しませるぞっていう気概を感じました」と回想する。今回のライブでは、5人が序盤からステージの隅から隅へと駆け回ってあおりまくった。記者席があった4階席から見てもはっきりと分かる大きな身ぶり手ぶり。大粒の汗を流しながら、1人も取りこぼさんとする姿は全身全霊だ。
5人は今回のツアーのために、事務所の伝統的な要素でもあるスキルをそれぞれが約半年かけて習得。佐藤龍我(23)はテナーサックス、深田竜生(24)は和太鼓、那須はブレクダンス、浮所と作間龍斗(23)は命綱なしのシルクフライングに挑んだ。ハイレベルなパフォーマンスの連続。会場は水を打ったような静けさの中で見入っていた。
アイドルであることにかける情熱は言葉にも宿る。ライブを締めた浮所の熱すぎる言葉。「いつか僕たちがデビューした時、芸能界を荒らしに行きましょう。全部ひっくり返してやりましょう、マジで!」。字面だけ見ると、なかなか大胆な内容。観衆の前であえて言葉にするところに覚悟の大きさを感じた。
経験を昇華し、形にするのにはエネルギーも技術も必要になる。記者が5人のライブを見たのは、結成から約2カ月後に行われた初ライブ以来、約1年3カ月ぶりだった。得てきた経験を持ち腐れにしまいと吸収し、体現する5人の熱量を感じる瞬間の連続に素直に感動した。期待も経験も全てを背負って、道を切り開こうとする強い推進力が「ACE」を冠した5人の推しどころの1つのように思えた。【望月千草】