高橋文哉(24)の主演映画「ブルーロック」(瀧悠輔監督、7日公開)を製作した、製作会社クレデウスの松橋真三プロデューサー(56)の著書「凡人プロデューサー 日本映画で世界を変える!」(小学館)発売記念トークイベントが2日、都内の代官山 蔦屋書店で開かれた。
トークの中で、松橋氏は、高橋に向かって「一緒に世界に行きたい」と語りかけた。「日本の映画界は、過渡期にある。人口が減っていく社会になる、と考えると世界に出て行く、ということ。1番の近道は、役者の皆さん。役者の皆さんのパワーって、誰が考えるかというと、私のような人間が企画を考えないと。一緒になって良い物を作らないと世界に行けない。いろいろな手段があるので、良いものさえ作れば気付いてくれるし、無理にでも担いでいかないと行けない」と力を込めた。
日本のエンターテインメント・コンテンツが世界に出て行くことに関しては、国も国家戦略として強力に推し進めている。23年に海外売り上げが5兆8000億円を記録し半導体や鉄鋼を超えたことを受けて、政府は33年までに21兆6000億円を挙げた自動車産業並の20兆円まで成長させると官民目標を掲げた。政府は、エンタメ政策5原則として
<1>大規模・長期的・戦略的に支援する。
<2>日本で創り、世界に届ける取組を支援する。
<3>作品の中身に口を出さない。
<4>真っ直ぐ届ける。
<5>挑戦者を優先する。
を掲げ、経産省の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金「JLOX+」を設けた。製作費3~8億円の中規模作品へ2億円を上限に公的支援するものだった。
それが今年3月31日に、JLOX+に代わり公募を開始した経産省の新たな補助金「IP360」では、支援の対象が製作費8億円以上の大型作品となった。松橋氏は質疑応答で、国家戦略に乗っかり、大型企画を展開する気はあるか? と聞かれると「誰かがやらないとできない。先陣を切ると僕は思っている」と断言した。
松橋氏は「例えば」として、FIFAワールドカップ2026(W杯)北中米大会でブラジルに敗退してベスト32で大会を終えた日本代表について語った。日本をW杯優勝に導くFWを育成するため全国から集められ、サバイバルを繰り広げる300人の高校生たちを描く「ブルーロック」を引き合いに「今回のW杯で、本当に勝つんじゃないかもと思いながらも、ちょっと残念な結果だった。『ブルーロック』を見てエゴ、ストライカーが必要だよねと国民が思うのって、すごく大事なことだと思っていて」と口にした。その上で「同じようなことで、エンタメを、日本から世界に持っていこうと、国一丸で意識することが大事。国家戦略があることは素晴らしい。誰かがやらなければいけないなら私が先陣を切る」と力を込めた。【村上幸将】