高良健吾(38)が3日、都内のNHKで開かれた特集ドラマ「手塚治虫の戦争」(総合で12日午後10時)試写会に登壇した。
同作は、漫画家・手塚治虫さんの自伝的作品と位置付けられる1973年(昭48)「ゴッドファーザーの息子」と「紙の砦」が原作。73年の東京で“漫画の神様”手塚治虫は会社の倒産と少年誌の連載打ち切りで一転、多額の借金と世間の「終わった」という評価に追い詰められ、創作への自信すら失いかけていた。その脳裏によみがえった、漫画を描くことすら許されなかった戦時中・少年時代の姿と、自身を投影して描いた漫画に「紙の砦」に登場する45年の大阪で漫画を描く中学生の大寒鉄郎(原田琥之佑)の日々を描いた。
高良は「数日前に見て、とにかく面白く、驚きました」と感想を語った。「自分の中に残っているのは若い子のシーン。自分が忘れちゃいけない大事なことが120%、映っている、この時しかできない何かが記録された奇跡を感じています」と、鉄郎役の原田琥之佑(16)岡本京子役の野内まる(23)明石健司役の久野渚夏(18)三井明役の山田健人(21)をたたえた。
高良は、手塚さんを演じたことについて「手塚治虫先生の不遇の時代は、知っているようで知らなかった。経営していた会社がつぶれたり…そこで、もう1度、戦争体験、苦しい過去に向き合う意味を感じます」と語った。その上で「一貫して、尋常じゃないくらい純粋に漫画に向き合い、不遇の時代に過去のつらいことを思い出し、書く。とにかく漫画の神さまで、すごい方なんですけど、もう1こ、何か超えないといけない。向き合わなければいけないことと出会った、気付かされた気持ち」と撮影を振り返った。
劇中では外見から、手塚さん本人と見まごうばかりの役作りを徹底している。役作りについて聞かれると「自分が触れたことがある漫画と『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』という当時、関わった方々のエピソードが書かれた漫画で、より知った。ここまでの情熱で、未来の子どもたちに向き合ったのか」と語った。漫画の指導も、手塚さんのアシスタントで、漫画「Theハートかぼちゃワイン」で知られ、漫画考証/ネーム(メインビジュアル)を手がけた漫画家の三浦みつる氏の指導を受けた。「実際の役作りは2カ月くらい。(原田)琥之佑君と漫画の練習もしました。手元だけ、自分たち、というの(シーン)も結構あると思います」と振り返った。