濱口竜介監督(47)の新作映画「急に具合が悪くなる」が、6月19日の公開から5日までに興行収入(興収)が3億円を突破した。配給のビターズ・エンドが6日、発表した。
米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した21年「ドライブ・マイ・カー」が興収3億円を突破したのは公開から159日目で、今作は100日以上上回る48日目での突破となった。観客動員も、7月30日時点で20万人を突破している。
12日には、撮影が行われたフランスで150館以上の規模で大きく公開されることを受けて、濱口監督が渡仏。カンヌ映画祭(フランス)女優賞を、日本人で初受賞した岡本多緒(41)と共同で受賞した、ベルギー出身のフランスの俳優ビルジニー・エフィラ(49)との登壇イベントも予定している。さらに、北米では「パラサイト 半地下の家族」や「ANORA アノーラ」などアカデミー賞受賞作を手がけてきた、映画会社NEONが配給するが、公開が11月25日に決定した。現在、70以上の国や地域での配給も決まっている。
映画のヒットを受けて、原作本「急に具合が悪くなる」(晶文社)も発行部数が10万部を突破した。
「急に具合が悪くなる」は、がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者の宮野真生子さんと、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者の磯野真穂さんが交わした20通の往復書簡を元にした、19年の同名共著を原作に、濱口監督が脚本を執筆。岡本が演じた真理とエフィラが演じたマリー=ルーを引き合わせる重要な役どころとして、長塚京三(81)が、真理が演出する舞台に出演する俳優の清宮吾朗、吾朗の孫の窪寺智樹を黒崎煌代(24)が、それぞれ演じた。
◆「急に具合が悪くなる」 フランス、パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長マリー=ルー・フォンテーヌ(ビルジニー・エフィラ)は、入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、日本人の演出家・森崎真理(岡本多緒)に出会い、がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらう。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、交流を始めた2人だったが、ある時、真理が「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、2人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。真里のモデルとなった宮野さんは、原作の出版2カ月前の19年7月に42歳の若さで亡くなった。