映画監督の上坂龍之介氏と「カメラを止めるな!」などで知られる上田慎一郎監督が6日、東京・新宿K's cinemaで行われた上坂監督デビュー作の映画「レンタル家族」舞台あいさつに出席した。
同作は同劇場において、17年に公開されてメガヒットした「カメ止め」以来の反響となっており、当事者監督2人による待望の舞台あいさつが実現した。
「レンタル家族」は昨年12月に新宿K's cinemaで1週間限定公開され、上坂監督が「1週間全ての回が満席にならなかったら次の作品に切り替えます」と宣言し、見事に達成。7月31日から約2週間の本公開が始まり、すでに15日間満員御礼となるなど反響が続いている。「カメラを止めるな!」も当初は6日間限定上映だったが、口コミが広がり全国上映へと発展。今作の反響はあの“カメ止めフィーバー”以来という。
「レンタル家族」を2度鑑賞したという上田監督は「2回目の方がよりしみた」と感想を語り「本当の家族ではないけれど演じることによって、だんだん本当になっていくところが特にグッときた。誰に感情移⼊するかによって見え方が変わる作品」と評した。また荻野友里演じる主人公の洋子について「ああいう主人公像って意外と今まで見なかったと思う。だけどすごく日本人っぽい、洋子の生活を垣間見た感じがしました」と語った。
上坂監督は「上田監督が自主映画の可能性を広げてくださいました。『カメラを止めるな!』があったから自主映画に可能性を感じた」と心境を語った。上田監督は今作の連日満員について「インディーズ映画で、ここまで満席になってるのは本当にすごい!」と絶賛。「カメラを止めるな!」は82回連続満席を記録しており、「ぜひ超えて欲しい」とエールを送った。
今作の反響もあり、上坂監督は日本映画放送チャンネルのオリジナルドラマ「がんばって、がんばらない」の監督も務めたほか、エイベックス所属の俳優陣が創り上げるプロジェクト「ACTORS STAND vol.2」の短編映画の監督にも抜てきされるなど活躍の場を広げている。舞台あいさつでは、既に次のオファーがあったときのために次作の脚本の準備を行っていることも明かされた。
「レンタル家族」は昨年5月の「第23回中之島映画祭」でグランプリ受賞、「ハンブルク日本映画祭」など複数の映画祭にもノミネートされた話題作。自身の親族などになりきってもらう「レンタル家族」というサービスを軸に、“演じること”と“リアル”のはざまで揺れ動く人々の感情、つながりや絆にスポットを当てた物語だ。上坂監督は「僕の人生で初めての映画になります。皆さんが初めての映画監督としてのお客さんになります。本当に感謝しています」とあいさつして締めた。
◆「レンタル家族」あらすじ 東京の会社に勤務する洋子は仕事で多忙な毎日を過ごす傍ら、定期的に実家へ帰省をし、父忠勝とともに認知症の母千恵子のケアをしている。千恵子の症状は近頃進行が早く、洋子が数年前に離婚したことさえ忘れ、帰省の度に元夫と娘について聞くのであった。ある日、洋子は取引先の担当者から「レンタル家族」というサービスを紹介され、体験レンタルを強く勧められる。戸惑いつつもレンタル夫を家事代行として自宅に呼び、派遣された松下豪と馬が合った洋子は、千恵子のことを相談。すると松下は、自分を夫、知り合いの子役・安田朱里を娘として、家族を演じることを提案し…。