今年も「大阪落語祭」が国立文楽劇場で行われる(9月18~23日)。迎えて第7回。先代の5代目桂文枝さんに入門してから32年となる桂かい枝(57)も、21日に高座を務める。
かい枝 いやでも気合が入ってしまいます。上方落語という大阪文化を皆で盛り上げようとする機運がうれしいし、行政がバックアップしてくれるのもありがたい。会場の文楽劇場は格式があって、重厚感たっぷり。そんな舞台で落語をできるのは噺家冥利に尽きます。それにここだけの話ですが、楽屋に届けられるお弁当が、また豪華でうまいんですよ(笑い)。
コロナの影響もあって、一時は上方落語の門をたたく弟子入り希望者が激減したが、ここ数年で再び増えてきた。6代文枝門下の桂にこにこ文、林家愛染に弟子入りした愛奈ら、10代の女性もちらほらいる。
かい枝 我々の吉本でも、笑福亭笑利や桂三実ら新たな世代の若手が次々と育っています。50歳代になるわたしも、うかうかしていられませんよ。時代の流れもあって、最近はコテコテの大阪弁を使う落語より、少し標準語に近いニュアンスを加えたスタイルが主流になってきた気もします。古典落語であれ、新作であれ、自分なりのオリジナリティーを発揮しなければ、この先も上方落語が生き残るのは難しいのではないでしょうか。
戦後、風前のともしびだった上方落語を復活させようと尽力したのが、いわゆる四天王。6代目笑福亭松鶴、3代目桂春団治、5代目桂文枝と3代目桂米朝だった。
かい枝 わたしが入門した当時、松鶴師匠はすでにお亡くなりになっていましたが、残る3人は互いを認め合っておられました。それぞれの得意ネタはあえて高座にかけることはせず、リスペクトしあっていましたね。うちの師匠(5代目文枝)の家の書庫には「米朝落語全集」がありまして、師匠は落語会の前に時々、その本を手にして読んでおられました。笑いながら「米朝師匠が、お手本や」とも口にしてましたね(笑い)。【三宅敏】
※インタビュー全文は8月27日午前9時アップ「日刊スポーツ・プレミアム」へ掲載中
◆桂かい枝(かつら・かいし) 1969年(昭44)5月7日生まれ、兵庫県尼崎市出身。94年、5代目桂文枝に入門。97年より英語落語で海外公演を行い、28カ国108都市での公演を経験。英語の教科書にも取り上げられている。04年、NHK新人演芸大賞。18年、繁昌亭大賞。
10月25日には、フェニーチェ堺(大阪府堺市)小ホールで独演会を開催(午後2時開演)。