近年、上方落語界における桂三実(33)の活躍はめざましい。2024年NHK新人落語大賞、同年繁昌亭大賞奨励賞、25年若手噺家グランプリ準優勝、26年同グランプリ優勝。
三実 自分のなかで、少しずつ自信がついてきた、そんな実感はあるんです。舞台でも堂々と演じられる、それが客席の笑いにつながっているのかな、と。それでも、街中で知らない人から「あ、三実さん!」と呼ばれるようなことはありません(笑い)。繁昌亭の近く、南森町周辺で落語ファンの方から声を掛けられる程度です。僕らにとっては切実なことですが、落語ファンって意外に少ないんですね。
若手のホープではあっても、一般的な知名度はまだまだ。その事実をより強く感じるのは、吉本のメーン劇場、なんばグランド花月(NGK=大阪市)に出演する時だ。
三実 これまで4度、本公演に出させてもらったことがありますが、いつも大変な思いをしながら舞台を務めています。僕がNGKに出ても、客席の多くは「誰?」という空気。いきなりスマホを取り出す人もいます。いつもは文枝師匠や文珍師匠が出ておられる舞台ですから、僕はゼロからのスタート。いや、マイナスからお客さんと向き合わないといけません。
師匠(6代文枝)は、創作落語のパイオニアとして知られるが、三実もまた熱を込めて創作落語に取り組んでいる。8月22日の「桂三実の完全創作落語会」につづき、9月30日にも「完全創作落語会」(繁昌亭)を行う。その度に新作を用意し、ファンの前で披露する。
三実 新作を作るのは、苦しみではありません。むしろ、楽しみでもあります。自分のやってみたい落語をできるのは自由でありがたいです。ただ、若手噺家グランプリで優勝した直後、師匠(文枝)と電話で話したんですが、「おめでとう」と祝福されたのは一瞬で、すぐに「これから、もっと頑張らなあかん」「常に、新ネタに取り組め」と、口から出るのは激励と注文ばかり。ほんと、笑いには厳しい師匠です。
※インタビュー全文は9月3日午前9時アップの会員制サイト「日刊スポーツ・プレミアム」へ掲載。
◆桂三実(かつら・さんみ)1993年(平5)5月1日、名古屋市出身。2012年5月、6代桂文枝に入門。身長167センチ。顔が似ている有名人は、藤川球児阪神タイガース監督と歌手の城みちる。
◆出演 9月16日、天満天神繁昌亭「開場二十周年記念特別公演」。同20日、神戸喜楽館「三実・健枝郎・希遊の三ツ星落語会」。同30日、天満天神繁昌亭「桂三実の完全創作落語会」に出演予定。