玉川徹氏「合理性だけでは動かない 本当に難しい」熊本地震の避難めぐり自身の両親の例に触れる

玉川徹氏(2019年撮影)

元テレビ朝日社員の玉川徹氏は28日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に生出演。先月28日に発生した熊本地震から1カ月となる中、自宅敷地内など、統計の数字に現れない形で避難生活を続けているケースがあることを受け、東日本大震災当時、自身の家族の避難をめぐって経験した思いを踏まえ、「災害対策は合理性だけでは動かない」と指摘した。

番組では、27日時点で熊本地震を受けて61カ所の避難所に約2460人が現在も避難を続けていることを伝える一方、避難所以外の場所で生活を送る「見えない避難者」がいることも報じ、宇城市で自宅敷地の内部で「軒先避難」を続ける家族や、氷川町では車庫で3世帯が共同生活を送る様子を伝えた。全体の避難者数に入らない「見えない避難者」への支援のあり方を問う内容でもあった。

VTRの後、玉川氏は「軒先避難されている女性が、足がむくんでいるとおっしゃっていた。やっぱり心配ですね。当然負荷ががかかっており、高齢だとそれがダメージになってしまう。こういう生活がいいとはいえないと思う」と、気遣いをまじえて指摘した。

その上で、「ただですね、これが本当に難しいのは、人は『合理性』だけでは動かない。当然、合理性からいえば避難所に行った方がいいですが、特に高齢の方は家を守らないと、という心の問題になってくる。これは本当に難しい問題です」と述べた。

そして「東日本大震災の時に、宮城の両親が非常に困難な状況にあったので、東京に呼んだんです。インフラも東京は整っているし、広い家ではないですが、3人で生活するにはそれほど不自由はないほどの家に住んでいたので」と、2011年に起きた東日本大震災の発生後、被災地域に住んでいた両親を都内の自宅に呼び寄せたことを明かした。

一方で「2週間くらいしたら、帰りたい、帰りたいと、聴かなくなった。なので、宮城で電気と水道が戻った段階で、ちょっと大変だったんですけど帰りましたね。その時点では、福島の原発の問題がまだありましたし、両親が住んでいた場所は、放射性物質が降った場所でもある。それでも帰ると言って、帰りましたから」と当時の経験を振り返った。

玉川氏は「合理性から言ったら、違うよ、と言っても聞かないんです」と述べつつ「合理性だけで我々はずっと動いていきます。この災害対策は。だけど、それだけでは結局動かないという問題(がある)」と指摘。「広域避難の問題も、こんなに整っているところがあるから、来てくださいといっても、行かない人は行かないす。それでダメージを蓄積されてしまう。この問題って一体、どうしたらいいのかというのは、専門の方も含めて対策をとっていかないとダメだと思いますね」と、しみじみと語った。

玉川氏の問題提起に、MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一も「そういった背景もあって、数字に現れない避難をしている方がいます」と、厳しい表情で応じた。