テレビプロデューサー、演出家の石井ふく子さんが9月1日、100歳の誕生日を迎え、都内で会見した。
白のジャケットと黒いパンツの装いで会見場に登場。大きな拍手の中、「石井でございます。本日はありがとうございます」とあいさつした。
100歳を迎えた気持ちを聞かれると「数字で言うと100なんですけど、私が自分で数えると100にならない」と笑わせ「ずいぶん年取ったなと思うんですけど、そんな年をとったと思っていません。元気でおります」。体感年齢は「20引くわ。80歳くらい」と笑顔で語った。
70年以上にわたりホームドラマで「家族」を描き続け、手掛けたドラマは1000本以上にのぼる。「無理をしないで自然に仕事をした気がする。仕事が好きなんですね。こういうことやりたいなと思うと周りの方がすごくフォローしてくださって、うれしいこと」。
ドラマ作りで大切にしてきたことは「心」「家族」と即答し、今後の創作にも意欲を見せた。「今この時代にいろんな問題が起きている。家族って大事なんだなと、もう一回テレビの上でやってみたい」。
テレビ、エンターテインメントを目指す若いクリエーターに伝えたいことを求められると「心をもうちょっと、観ている方に。今のドラマのせりふは、私にはちょっと信じられない。しゃべりすぎている」。
古巣であるTBSでは「VIVANT」が大ヒット中。現在放送中のシーズン2は見ていないか、前作は見たという。穏やかな笑顔で「私はあまり好まない」と語り、会場を爆笑に。「すいません。悪口を言っているわけじゃない。私の中に、心の中にああいうドラマはないので」と話した。
最後は視聴者、関係者へメッセージ。「テレビというのはすごく大事。目で見て、それがどう心に響くか。お互いの心と心を通い合わせるのがテレビだと思っている。やっぱり、いいドラマ、心のある、心が美しく見えるドラマを作っていきたい」と話していた。
石井さんは1926年(大15)東京市下谷区(現在の台東区下谷)生まれ。57年、TBS嘱託社員として東芝日曜劇場の制作に携わり、翌58年「橋づくし」で初プロデュース。61年、同局入社。「時間ですよ」(65年)「ありがとう」(70年)「あにいもうと」(72年)など大ヒット作多数。90年には「渡る世間は鬼ばかり」をスタートし、大ヒットシリーズに。昨年、TBS「わが家は楽し」などをプロデュースし、「世界最高齢の現役テレビプロデューサー」としてギネス世界記録認定。今年は新橋演舞場「明日の幸福」を上演している。