世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭で最高賞・金獅子賞を争うコンペティション部門に出品された「ルックバック」(9月11日公開)の公式上映が7日(日本時間8日)、イタリアで行われ、約1000人の観客が集まった。拍手と、12分を超えるスタンディングオベーションが巻き起こり、是枝裕和監督(64)とダブル主演の出口夏希(24)と蒔田彩珠(24)は感極まって涙。満面の笑みでお辞儀をしたり、胸に手を当てて手を振り返すなど、観客に応え続けた。
ベネチア映画祭には、4コマ漫画が得意なクラスの人気者の藤野を演じた出口と、同学年の藤野の4コマ漫画の大ファンで、ひきこもりでひたすら絵を描いていた京本を演じた蒔田と、子ども時代の藤野を演じた七瀬ふうり(12)と、子ども時代の京本を演じた岡田六花(12)が参加。出口は「あの時(ロケ地の秋田)にかほにいたみんなでベネチアの舞台に立って拍手を頂いて、一生の思い出になりました」と喜びを口にした。蒔田も「会場の雰囲気もあいまってすごく感動してしまって、上映後に会場の方々からスタンディングオベーションを頂いた時は、人生で一番感動した瞬間でした。また来たいです!」と再訪を誓った。
是枝監督は「お客さんが微動だにしない100分という、素晴らしい上映だったと思いますし、心からの拍手を頂いて、じ~んときました」と感動。「本編前半の藤野が田んぼ道を走り出すシーンで出口さんが泣き始めたので、『やばい』と思いながら冷静に見ようと思いましたが、そうもいかなくなりました」と、出口が上映中に涙したと明かした。
七瀬は「あんなにたくさんの方々と見られる機会があるとは思ってなかったので、最初は恥ずかしかったんですが、見ながら撮影のことも思い出して、すごく感動しました」と感想を語った。岡田も「このベネチアで、このメンバーとたくさんの方と一緒に『ルックバック』を見られてとてもうれしいです」と喜んだ。
「ルックバック」は、藤本氏が21年に「少年ジャンプ+」(集英社)で発表した読み切り漫画。学年新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメートから絶賛を受ける小学4年の藤野が、先生から突然、不登校の同級生・京本の4コマ漫画を掲載したいと告げられ、その存在を知り画力の高さに驚く。その後、ともに漫画を描き始め、ひたむきな思いを貫く2人の成長を追いながら、ある日、起きた全てを打ち砕く衝撃的な出来事を描く。胸を突き刺す青春物語が多くの感動を呼んだ。