テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)は10日夜の放送で、東映、巨人、ロッテで外野手として活躍した元プロ野球選手で、最近まで「球界のご意見番」として親しまれた張本勲さんの訃報(ふほう)をトップニュースで伝えた。
張本さんは9日に亡くなったことが10日、明らかにされた。86歳だった。
東大野球部出身の大越健介キャスターは、野球少年時代に張本さんに抱いていた思いを語り、「戦争を乗り越えて、戦後の日本の野球界を引っ張ったヒーローがまたひとり、旅立ちました」と感慨深げな表情で追悼した。
番組では、東映、巨人、ロッテで活躍した張本さんが達成した3000安打など、輝かしい記録を伝えるとともに、幼少時に広島で被爆した経験を持つ張本さんが番組のインタビューで語った自らの被爆体験や、若い世代への戦争経験継承についてもVTRで振り返った。
大越氏はニュース冒頭で「安打製造機、打撃の職人。この人を形容する言葉は数知れません。3000安打など、前人未到の記録を打ち立てたレジェンド張本勲さんが亡くなりました」と言及し、「引退後は野球界のご意見番として親しまれる一方、自らの被爆体験を語り平和を訴えました」と紹介した。
VTRの後には、張本さんについて「野球少年からすると、パ・リーグの大看板打者ですよ」と述べ、「ちょうどジャイアンツに移籍してくる年は中学生だったんですが、ジャイアンツ戦は当時必ずテレビでやっていたので、これであの張本さんをいつもテレビで見ることができると、ものすごくうれしかった」と、子ども時代に抱いた思いを振り返った。
「しかも期待通りというか、前の年、長嶋監督のもとで最下位に沈んだジャイアンツをまさに引っぱって、優勝に導いた。ちょっと独特な、バットを寝かせ気味にするフォームから、ことごとくボールを芯で、ぐわっととらえる、ものすごいバッターで、王さんとの3、4番コンビは、ほかのチームからすれば脅威だったと思います」と、自らバットを構えるようなしぐさをみせながら口にした。「常に一歩引き気味と言いますか、長嶋さん、王さんというジャイアンツ生え抜きの選手たちを常に立てていた。そんな印象があります」とも振り返った。
張本さんのご意見番としての活動についても触れ「切れ味鋭い、だけど一方でやさしくて、ユーモラスな部分を感じる語り口ですよね。ああいう語り口ってどこから来るんだろうと思っていたんですが、被爆をはじめ、張本さんが味わった筆舌に尽くしがたいような、そんな経験が人間としての奥行きにつながっていたのかなと想像します」と、思いをはせた。