都市対抗野球であらためて感じたM!LKの大ブーム 佐野勇斗は岡崎市の象徴的存在に

佐野勇斗(2026年6月撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

9月上旬、夏休みを取った。東京からは離れず、毎日目的地は東京ドーム。年に1度の人生最大の楽しみのひとつで、社会人野球最大の大会、都市対抗野球に毎日のように足を運んだ。

もちろん野球の試合も重要だが、社会人野球ならではの創作力を生かした応援曲に耳を傾け、応援団のパフォーマンスに注目することも、個人的な都市対抗野球の楽しみだ。この空間は、特定の歌手やアイドルの熱烈なファンが集結しているわけではなく、子どもから企業のトップまで幅広い年代が集まる。芸能記者になってから取材として音楽に触れる機会はほとんどがライブイベントであるため、ここまで偏りのない“世論”の中に身を置ける時間も貴重だ。

取材の中でさまざまな話題曲や人気曲に触れていると、音楽業界や各アーティストのファンの間で人気な楽曲は分かってくる。ただ、果たしてその楽曲たちが世間でどれほどの人気を集めているのか、国民的な認知や人気を得ているのかを、数字では分かっていても肌で実感する機会はなかなかない。そうした意味で、芸能を取材するようになってからはどんな楽曲が応援曲に使用されているかを、流行を測る指標として注目するようになった。

たとえば、CUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」は、今大会の優勝チームの西濃運輸(大垣市)などが、昨年から導入。今年はほかにもJFE西日本(福山市・倉敷市)やエイジェック(小山市)、東海理化(豊川市)などが取り入れていた。リリースから2年が経過し、昨年すでに応援曲として耳にしているファンもいたことから、当然ながらスタンド全体になじんでいる様子は見られた。昨年ヒットしたCANDY TUNEの「倍倍FIGHT!」も、西濃運輸やエイジェックなどで使用されていた。今年から取り入れたチームが多く、なじんでいるような雰囲気は「かわいいだけじゃだめですか?」ほどではなかったかもしれないが、使用されていること自体、“世論”からの広い認知や人気の表れだ。

その中で、今年特に印象に残った応援曲は、M!LKの「好きすぎて滅!」だ。メンバーの佐野勇斗(28)の故郷、岡崎市代表の三菱自動車岡崎や、JFE西日本が使用していた。記者の担当しているグループということもあり、近年の人気ぶりや勢いは目を見張るものがある。各音楽チャートで目立つ数字を残し続けているが、取材時もすさまじい人気がある前提で見てきた分、“世論”での人気ぶりをはっきりと把握しきれている自信はあまりなかった。

実際に完全にフラットに見ると、余計に人気のすさまじさが分かった。応援団の監督が「社会人野球応援団界の佐野勇斗です!」と自己紹介して応援席の観客を盛り上げたり、球場内に掲示されていた岡崎市のポスターには「岡崎観光伝道師」として佐野の写真が掲載されたりと、佐野は同市の象徴的存在だった。

応援曲で使用されていた「好きすぎて滅!」も、近くに座っていた観客ほぼ全員が「お、M!LKだ」「滅!だね」といった反応だった。中には「滅!」のポーズを取っている人も結構いたほど、浸透していた。2回戦で敗退してしまったこともあり披露回数こそ少なかったものの、以前から長く使用していたかのようななじみようで、M!LKの勢いを本人たちから離れた場所でも感じ取れた。

仕事場から離れ、完全にフラットな状態で触れることで、余計にすごさを味わった。ある意味充実した夏休みになった。【野見山拓樹】