「サンモニ」張本勲さん被爆を「風を読む」で特集 落合博満氏「体験してきたからこそ語れる」

張本勲さん(2024年撮影)

TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)は13日の放送で、番組スポーツコーナーの「ご意見番」としても活躍した通算3085安打の元プロ野球選手、張本勲さんの訃報を、多くの時間を割いて伝えた。

番組冒頭、通常は途中のスポーツコーナーから出演するプロ野球解説者の落合博満氏、中畑清氏が最初から着席した状態でスタート。MCの膳場貴子が「今週は訃報からお伝えします」と切り出し「長年にわたり、サンデーモーニングのスポーツコーナー、その『ご意見番』としても親しまれてきました、野球解説者の張本勲さんが亡くなりました。このニュースから」とトップで伝えた。

スポーツコーナーでは、張本さんが選手のプレーなどに対して「喝!」「あっぱれ」を出した名場面を特集。さらに時事問題や社会問題を番組独自の目線で取り上げる「風を読む」では、張本さんの被爆体験を通じた平和への思いを伝えた。

「風を読む」に入ると、膳場が「今日は落合さん、中畑さんとも一緒に『風を読む』をお伝えしたいと思います」と特別の形であることを紹介。広島で被爆した張本さんが、2024年に膳場のインタビューに応え、当時5歳だった自分に母がかぶさるようにして原爆から身を守ってくれたことなどを語った様子を伝えた。張本さんが「私らが最後のメッセンジャーでしょう。悲惨な姿、光景、人間、物、自分の目で見てるし、体験したからね」と話すシーンも紹介された。

膳場は「年に1度の健診のたびに恐怖にかられ、軽い咳や、腹痛でも、原爆症と結び付ける日々だったといいます」と張本さんの言葉を回顧。差別にも苦しめられたため、現役時代は被爆者であることを隠し通したことも明かされた。

24年のインタビューで、張本さんが当初「8月6日は大嫌い。法律でなくして、5日の次は7日にしてほしいぐらい」と思っていたが、小学生から「8月6日はなくしちゃだめ。終生忘れない」という手紙をもらい、はっとして転機となったと語ったVTRも紹介。以後は、被爆者として積極的に発信した。

膳場は「野球だけでなく、これだけの大きなものを背負いながら生き抜いてきた張本さんの背中を、落合さんはどう、ご覧になりますか」と言及。落合氏は「体験してきて、その恐怖とともに生きてきた、というのが実感ですよね。体験してきたからこそ語れるんであって、それを体験してきていない人がどんなに綺麗事を言ったって、耳には届かないんだろうと思います」と語った。

膳場は「そうですね…核兵器の使用をほのめかす世界のリーダーに何かおっしゃりたいことはありますか、と言ったら、『とにかく広島の原爆資料館を見に行って欲しい』とおっしゃってました。そして若い人に向けては、『人間は知恵のある動物だから、長く時間がかかっても話し合いで解決して欲しいんだ。それが私からのお願いです』とおっしゃっていたのを私、強く覚えています」と語った。

張本さんは、東映、巨人、ロッテで外野手として活躍。9日午後、死去した。日本プロ野球名球会が10日に発表した。86歳だった。プロ野球歴代1位の通算3085安打を放ち、首位打者7回など数多くのタイトルを獲得した。

【写真特集】張本勲さんが86歳で死去 「安打製造機」の異名でプロ野球最多3085安打