<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
お笑い芸人で吉本新喜劇元座長の小籔千豊(52)が年内で吉本興業を退所すると発表した。
先んじて、08年から続けてきた自身が主宰する音楽と笑いを融合させたフェスティバル「KOYABU SONIC(コヤソニ)」を今年の開催をもって終了すると発表していた。
コヤソニに関しては過去に何度も「出演するアーティストの方に迷惑をかけるくらいなら辞める」などと終了について言及。実際、14年に1度辞めている(コロナ禍でできなかったことも)ので、小籔なりの思いがあるんだろうと受け止めていたが、吉本まで辞めるとは思わなかった。
理由については「死ぬとき後悔せんように思いついたことはやっていこうという気持ちが年々強くなり、少しチャレンジというか冒険をさせてもらおうという考えにいたったからです」と説明。吉本も小籔の意思を尊重し、“パートナーシップ契約”という形で送り出すという。
最近、事務所から独立し、活動を続けているアーティストを取材する機会があった。GENERATIONS元メンバーで、LDH JAPANを24年に退所したダンサーで俳優の関口メンディーと元宝塚歌劇団星組トップ娘役で16年に退団した妃海風だ。
ともに「とても恵まれていた。守られた環境で活動できていた」と古巣に感謝した上で、「何事にも挑戦してみないと分からない」「今の仕事につながった縁を大切に日々を全力で生きていく」といった趣旨のことを話していた。もしかしたら小籔も同じような思いを抱いているのかもしれない。
小籔を取材していて感じるのはとにかく「気遣いの人」ということ。過去のコヤブソニックでは、具合が悪いところがあれば翌年には改良。多くの出演アーティストが「居心地が良い」とお世辞抜きで小籔のホスピタリティーをたたえていた。気遣いは我々報道陣にも。囲み取材の際、会話があまり弾んでいないとみれば自ら積極的に会話に乗り出し、逆に弾んでいれば一歩引いて聞き役に徹する。会場の大音響でお互いの声が聞き取りづらいとみるや、さりげなく一歩近づいてみたり、大きな声でコメントを補足したり。その所作のひとつひとつが注意して見ていないと気付かないほどにさりげなくイヤミがない。とにかく、演者やファン、関係者すべてに細部にわたって気遣いが行き渡っていた。
所属タレントが事務所を去る際、ドライな感じのある吉本興業が、わざわざ今後の活躍までバックアップする契約を結ぶのも納得がいく。
ラスト開催のコヤソニは21~23日の3日間、インテックス大阪で開催される。今後について詳しく知りたければ「コヤブソニックに来てな」と呼びかけていたが、どんな思いを打ち明けるのか。きっちりお伝えできればと思う。