<連載:1>
女優藤本ルナが、主演映画「Sae彩永」(溝口友作監督)でノースハリウッド映画際の主演女優賞を受賞した。先月にはアクション監督、映画監督の谷垣健治氏(55)との結婚を発表、話題のTBS連続ドラマ「VIVANT」(日曜午後9時)にもレギュラー出演中だ。乗りに乗っている藤本に聞いてみた。【小谷野俊哉】
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藤本は東京生まれで、父親の仕事の関係で幼稚園を中国・北京ですごした。アンジェリーナ・ジョリーの主演映画「トゥームレイダー」を見てあこがれ、グローバルに活躍できるアクション女優を夢見て13歳でニューヨークに留学した。日本語、中国語、英語のトリリンガル。グローバルに活躍するアクション女優として、着実な歩みを見せてきた藤本が「Sae」では、今までと違う役柄に挑戦して栄冠をつかんだ。
「今回の賞をいただくまでに4回ノミネートしていただいていたんです。どれも受賞を逃していて、正直なところ、『やっと一つ獲得できた』という気持ちでした。でも、本当にすごくうれしかったです。私にはアクションのイメージがあるかもしれないんですけど、今回は全く違う。アーティストを目指してアメリカの大学へ留学。楽しいアメリカ生活を送っていたところに急に不幸が起きる。アメリカでこのまま頑張って生活するのか、それとも日本に帰るのかという選択を迫られます」。
13歳で米国に留学した経験から、主人公に共感する部分もあった。
「留学したことのある方であれば、誰もが直面する可能性のある問題だと思います。アメリカに限らず、日本でも、例えば東京に出てきた人が、実家に戻るのか、東京に残るのかということでも、きっとどこかで直面する問題ですよね。そういう選択を迫られながら、どう夢を追い続けるのか。そこでもがきながら奮闘する女性の話です。今までは動的な役が多かったのですが、今回はすごく静かな役でした。アクションは全くない。初めてでした。すごく抑えた演技で、内面からにじみ出るものを表現する方向性でした」
溝口監督に“女優藤本ルナ”を起用した理由を聞いた。
「『なんで私をキャスティングしたんですか』って。そうしたら、私の映像資料とかプロフィルを見て『ルナさんなら演じられるだろうなと思ってキャスティングしました』と言われました。私に、このお芝居ができると思った監督もすごいなって思いました。演じる前にいろいろ相談して役作りをしました。こういう役にキャスティングしてくださったこと自体がうれしかったですし、自分自身にとっても新しい発見でした」
東京、北京、ニューヨーク。三つの街で育った。
「日本生まれなんですけど、幼稚園の時に北京に住んでいたので、中国語は割と早いうちから話していました。13歳でニューヨークに行ったんですけど、その時は英語が話せなかったんです。こういう環境を与えてくれた親には感謝ですね。今でも、中国語や日本語を話す感覚と比べると、英語は外国語を話している感覚がありますけど」
「Sae彩永」では英語の芝居も重要だった。
「セリフは日本語と英語です。日本からロサンゼルスの大学へ留学する設定なので、ストーリーを追っていくにつれて英語の発音も調整しました。最初は片言の英語にしていて、最後はもう少し流暢(りゅうちょう)に話せるようになっていく。その過程は監督と相談しながら作りました。英語が流暢になっていくこと自体が、主人公の成長でもあるのかなと感じました」(続く)
◆藤本(ふじもと)ルナ 5月6日生まれ、東京都出身。ニューヨークのラガーディア高卒業後、中国の大学・北京電影学院入学。2020年(令2)に映画「モンスター・ハント 王の末裔」で女優デビュー。ほか中国映画「淬火」「恩仇結」主演。21年、映画「昨日より赤く明日より青く」「水のない海」、22年「47RONIN ザ・ブレイド」など。26年、TBS「VIVANT」の公安外事第4課捜査官・君嶋役で地上波ドラマ初出演。映画「Sae彩永」ではノースハリウッド映画際主演女優賞。同年8月にアクション監督、映画監督の谷垣健治氏(55)との結婚を発表。165センチ。