北山たけしの新曲「北の港」は師匠北島三郎がその成長を認めた楽曲では!?

師匠北島三郎の大漁旗をバックにガッツポーズを披露する北山たけし(2026年9月撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

16日に新曲「北の港」を発売した演歌歌手、北山たけし(52)を取材した。

同曲は4年ぶりに師匠である北島三郎(89)が作家名の原譲二名義で提供した楽曲だ。これまでも数多くの曲を提供してもらっているが、前作「博多ブルース」から4年ぶり。その前の「津軽おとこ節」も4年前。「まるでオリンピックのようですね」と笑った。

今回のレコーディングでは、師匠からの指導は少なかったという。「これまでを100としたら、今回は10ぐらいでした」とすると、「それなりに自分も成長したのかなっていうのを感じながらも、もっと叱ってもらいたかった」と、複雑な胸中を吐露する姿が印象的だった。

また、これまでは北島が用意した1曲を有無を言わずに歌うスタイルで「一方通行だった」。だが今回は3曲が用意され、その中から北山が気に入った曲を選択する形式となった。師匠には楽曲提供を「実は去年くらいからずっとオファーしていた」という。「師匠もいろんなアーティストの方に提供しているので忙しく、1年近く待たされたので3曲用意しれたのかもしれない」と推しはかった。

これはおじさん記者の推測だが、おそらく師匠は弟子の成長を認めたからこそではないかと思っている。師匠はおじさん記者の親世代でもあるが、昭和初期の男は頑固で素直ではない。と断言すると、独断がすぎるかもしれないが、例えば「ありがとう」も素直に言わず、黙って行動で示すことが多いと感じている。“感謝”や“容認”くらいは言葉で示してもいいような気もするが、感情を言葉で表さない世代であることは、当たらずとも遠からずだろう。実は、3年前に亡くなった、おじさん記者のおやじもそうだった。これは古き良き時代の日本男児像なのかもしれない。

師匠は北山の努力、実力を認めたからこそ、レコーディングでは指導も少なく、さらには楽曲も選択制としたと思っている。

また、新曲のカップリング曲は北山自身が作曲を手がけている。表題曲は師匠の楽曲、カップリング曲は自身が手がけた楽曲。この2曲が1枚のCDで同居するのは今回が初めて。師匠にその構想を伝えると「嫌な顔をされ、『生意気だな』と言われて」と苦笑い。

だがこれも愛情の裏返しのように感じている。実際、“夢のタッグ”が実現していることが、何よりの証明だろう。

今回の新曲「北の港」は北山にとって、さまざまな思いが詰まった曲であることは間違いない。師匠は10月4日に90歳となる。新曲が出たばかりでなんだが、次は4年後と言わず、毎年でも師弟コンビ作を実現させて欲しい。【川田和博】