1823年(文政6)に長崎・出島のオランダ商館医として派遣されたドイツ出身のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトと子供たちを描き、20年に初演の舞台「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」が、7年目にして初のスピンオフ公演を上演することが23日、決定した。
タイトルは「楠本イネ生誕200年記念舞台『シーボルト父子伝~外伝~緋髪の大和撫子』」で、27年1月14~17日まで東京・赤坂RED/THEATERで全6公演を上演。24年6月から米国に留学し約2年、俳優修業をしていた元AKB48の岩田華怜(28)が帰国後、初主演する。
岩田は「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」シリーズに出演し演出、脚本も手がける鳳恵弥(45)と、自身が座長を務めた舞台「サイレントメビウス」で共演。当時、座長として稽古に励み真摯(しんし)に作品に取り組む姿に感動した鳳から、再共演を熱望される形で、初のスピンオフ主演に選ばれた。
今回の抜てきに、岩田は「私が鳳さんと共演したのは、私が18歳の時。座組の最年少ながら、初めて大所帯のストレートプレイで主演を務めさせていただきました。当然、私はまだまだ未熟で、鳳さんをはじめ、周りの先輩方にたくさん助けていただいたのを今でも覚えています。その時の鳳さんの存在は大変、心強かったです」と座長公演での共演を振り返った。その上で「今回、約10年ぶりにこうして共演させていただくこととなり、今から稽古や本番がとても楽しみです。これから続々と情報解禁となります、素晴らしい共演者の皆様の面々も楽しみに、続報をお待ちください」と期待を込め、呼びかけた。
「楠本イネ生誕200年記念舞台『シーボルト父子伝~外伝~緋髪の大和撫子』」で岩田が演じる主人公・楠本イネは、シーボルトと楠本瀧の娘として長崎に生まれた娘で、今作が上演される27年に生誕200年を迎える。父の門人から西洋医学を学び、幕末から明治の激動の時代を医師として歩み続けた女性だ。異国の血を引く容姿や、女性が医師として生きることの困難に直面しながらも、学ぶことを止めず、自らの足で人生を切り開いていくイネが、父との別離、医学修業、再会、そして新たな別れを経て、1人の医師として自らの道を歩き始める姿を演じる。
イネは、これまで小説や映像作品などで幾度となく描かれてきたが、広く知られる人物像には、後世の文学作品などで創作された「悲劇のヒロイン」としての姿が重ねられ、史実であるかのように語り継がれてきた側面もある。記念年に向け、日本シーボルト協会の研究者による1次資料検証プロジェクトの協力も受け、残された史料を元にイメージの向こう側にいる真実の姿を見つめ直し、自らの道を切り開いた女性の半生を描く。
シーボルトが26年に江戸に参府して200年の記念事業の記念舞台として7月に上演された「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」で、シーボルトの次男ハインリッヒ・シーボルトを演じ演出、脚本を務めた鳳は、今作でもハインリッヒ役を演じるとともに、脚本・演出を担当。物語では、姉イネの生き方が、やがて弟ハインリッヒへと受け継がれていく姿も描かれる。
またシリーズを通して音楽を手掛けてきた、爆風スランプのパッパラー河合(66)が、今作でも出演・音楽を担当し、イネが西洋医学を学び、医師として歩んでいく過程に深く関わるポンペを演じる。