映画「シャドウワーク」(吉野竜平監督)でダブル主演を務める吉岡里帆(33)と奈緒(31)が26日、都内の劇場で公開記念舞台あいさつを行った。映画は配偶者や親から暴力を受けた女性たちをかくまうシェルター、通称「おうち」を舞台としたサバイブサスペンスで前日25日から公開。撮影裏話として、同席した吉野竜平監督(44)が、吉岡から「1発殴っていいですか?」と、驚きの提案を受けたことを明かした。
吉岡演じる紀子が「おうち」で連帯感の強まった、奈緒演じる薫に代わって、思いを乗せて殴るシーン。吉野監督は「脚本上、動きは全然書いていなくて、吉岡さんが『1発ぐらい殴っていいですか』と言うから『いいですよ』と言ったら、けっこう2、3発殴っていて。『けっこういくな』って思いました」と話し、笑いを誘った。これに吉岡は「なんか、あの時は…。打ち合わせしてないのに、奈緒さん演じる薫さんと、息が合ったように同じ体の形になった瞬間があって。なんか、薫さんの怒りが私の中に入ってきた気持ちになって『絶対に許さないぞ』と思っていました」と、役にのめり込んでいたための「1発殴っていいですか?」という提案だったと振り返った。
奈緒は「吉岡さんのパンチ。誰かをたたいたことのない人の、でも思い切り思いをぶつける、あの一撃は奇跡的に感じていて。一緒にお芝居をしているんですけど、すごく尊い瞬間」と、全出演者、全スタッフの思いを代弁した“一撃”で、今作を象徴していたと振り返った。ただ、殴ることに慣れていない女性によるパンチだけに、リアリティーを追求する中で、2人が“参考”にした意外な動画の存在を明かした。
“参考”にしたのがリス科の動物マーモットが、けんかする動画だという。奈緒は「もっちもっちでフワフワの、カピバラさんを立たせたような(動物)」と説明。吉岡は「マーモットのけんかが、メチャクチャかわいくて『私たち、こんな感じになってるね』みないに話していました。アクションシーンがもみくちゃになるんですけど、かっこ悪い方がいい、きれいじゃないもみくちゃがいいとなって『マーモットのけんかみたいになってきたね』と言っていました」と、笑って振り返った。2人は「ぜひ検索してみてください」と、映画鑑賞の前後に比較することを勧め、会場の笑いを誘っていた。