今日から放送「ブラッサム」で朝ドラ初出演の松たか子、朝向きではないと自認だけに「ビックリ」

「ブラッサム」に出演する松たか子

今年度後期のNHK連続テレビ小説「ブラッサム」が28日、放送を開始した。藤川優子役で出演する女優松たか子(49)が、27日までに都内で取材に応じた。

自由を求めて明治、大正、昭和を駆け抜け、平成8年の1996年に亡くなった、作家の宇野千代さんをモデルとした物語。ヒロイン葉野珠(はの・たま)を石橋静河、1980年代の珠を加賀まりこの2人が演じる。松は、作家として活動する、主に加賀の時代の珠の秘書という役。朝ドラ初出演となった現在の思い、今後の意気込みなどを語った。

-朝ドラに初出演することについて率直な感想を

松 初めて出演することがかなって、思いもしなかったことなので、ヒロインを演じる石橋静河ちゃんを邪魔したくない気持ちです。加賀さんの時代に寄り添う役で、なおかつ、もしかしたら静河ちゃんとドラマの中で出会えるかもしれないという期待と、自分なりに静河ちゃんを応援できたらなと。本当に邪魔したくない気持ちで、今回、出演させていただきます。すごい華やかな、いろいろチャレンジングなドラマ「ブラッサム」、朝ドラに出演させていただけることを、すごくうれしく思っています。

-出演される前と、実際に撮影に参加されて、朝ドラのイメージに変化はありましたか

松 1人の役を長い時間をかけて、大勢のスタッフの中で、すごいことだと思っていましたが、想像以上にすごいスタッフが関わっていて(笑い)。最初に大阪のNHKで顔合わせした時に、半端ないスタッフの方が、リハーサル室に集まっていらっしゃって「やっぱりすごいな」と思って、ビックリしました。皆さんの気合も感じるし、それだけで静河ちゃんを尊敬しちゃいます。これから1年、やっていくんだなと思って。私はポイントで出るぐらいなので(スタッフに)覚えてもらおうとか多くは望まず「呼ばれたら大阪に行く」ぐらいの謙虚な気持ちでいます。もしも、このドラマの中で静河ちゃんの珠さんと出会うことがあったら、強く、たくましく、美しくなった彼女と向き合えるんだなと思うと、すごく楽しみなんですね。

-第1回から優子さんと珠さんの関係性の良さをうかがうことができますが、松さんが感じる2人の関係性は

松 優子としては、自分の人生を別にマイナスに見ているわけではないのですが、珠さんという人を見つめることで、自分が成せなかったことであったり、自分が見たことのない風景だったり、キラキラした時間を今日共有させてもらっている。何か、憧れといいますか、自分が一緒にそこにさせてもらって、喜びを感じながらそばにいるんじゃないかなと思っています。だから、そうすると、自分が犠牲になってるというよりは、自分も一緒に夢を見てるような、自分も一緒に飛び越えられるみたいな。人生を重ねてもいいのかなと思いながら、楽しんでいると思います。

-加賀さんの尊敬するところや、今回、共演されて新たな発見などはありましたか

松 加賀とご一緒するのは、本当にすごく久しぶりで。(前回共演が)もう、20年以上前とかなんですよね。舞台とBSドラマで。本当に久々で。でも、その時から率直なご意見とか、そしてなんかちょっとチャーミングなところとかは変わられないですね。20年以上前に、舞台でご一緒した時の携帯(電話)の着メロが「運命」だったんですよ。ベートーベンの。懐かしい思い出ですが。そんな話をしても「そうよ」って覚えていらっしゃったり。アンテナが常に動いているというか、張っているというか。だから「正直に話さないといけない人」っていう存在ですね。なんか、うまいこと言っても見透かされちゃいそうな感じはします。ある意味、全く印象も、かわいさも変わらないですね。相変わらず、いろんな舞台を見たりとか。大先輩ではあるんですけど、いろんなもの見ていて、すごく勉強熱心な方。学ばなきゃいけないところが、たくさんあります。

-松さんが感じる、石橋さんの役者としての魅力を教えてください

松 魅力は、私が語るよりも、皆さんが見て、皆さんの評価で彼女の魅力がどんどん花開いていくんだと思います。しっかりしてるし、自分の言葉を一生懸命探してしゃべる人だし、緊張もするし、だけど本当は弾けたい人。キャッキャしてるのが好きな。だから、この「ブラッサム」のオープニング映像のように、どこまででも走っていくような人で、ノビノビした自然児みたいなところもあるところが、魅力なのかなと思います。

-朝ドラに出たいですとか、朝ドラへの特別な思いはありましたか

松 (自分は)朝のさわやかな画面(向き)じゃないんだろうなって(笑い)。「何がなんでも」とかは。こればかりは、いろんなタイミングといいますか、巡り合わせだったなという感じもします。無理やり出られるものでは、もちろんないわけですし、かといって、かたくなになる理由もないので、いろんなタイミングがあって、今回、この機会をいただいたなという感じですけれども。朝はね。さわやかな人が出た方がいいっていう結果なんだろうなっていうのはありました。だから「私はしょうがない」と思って今まできてましたので、ビックリしました。

-幼少期からの思い出を含めて「朝ドラ」で、思い出す作品、シーンなどがあれば教えてください

松 私は自分が出演したのではなく(2017年後期)「わろてんか」という朝ドラの時に、テーマソングを担当させていただいて。笑いを扱ったストーリーというか、設定だったんですけど、けっこう皆さん、お話の中で、泣くことも多くて、でも、その中で笑いを追求していくみたいなお話の主題歌を担当させていただけて、それをイメージしながら歌詞を書いたりするのも楽しかったなと思っていました。笑ったり泣いたり、また笑ったり泣いたりというキャラクターが出てくるような歌詞が書けないかなと思って、あれやこれや作った思い出があります。それはとても、いい経験をさせていただいたなと思っています。小さいころは、学校に行く時間と朝ドラと重なって、なかなか見る機会がなかったのが正直正直なところです。

-「ブラッサム」というタイトルでもあり、第1回では桜満開のシーンが印象的ですが、桜にまつわる思い出などはありますか

松 私が最初に出させていただいた短編映画が、春が舞台の映画だったので、桜をいっぱい降らせていて。実際の(桜の花びら)も紙のも混ぜて、すごい降らせて、みんなでそれを集めてもう1回降らせて、みたいなことを現場でやりながら撮影した記憶があります。自分が初めて出したCDも、春の歌だったりして、すごい「春のイメージ」を持たれて。私は梅雨の生まれなんですけど、分にとって不思議な縁がある季節だなと思います。

-今作を「チャレンジング」とおっしゃっていましたが、そのように思う理由は

松 宇野千代さんをモデルに、事実に沿ったことだけではない、オリジナルのストーリー、エピソードも出てくると思うんですけど(宇野さんは)華やかで、何回結婚したとか、すてきな魅力的な男性と出会ったとか「奔放」と言っちゃうと簡単だと思うんですけど、そういう女性像で、それを朝の連続テレビ小説に描くのは、なかなかチャレンジなんじゃないかなと思うんですよね。彼女の本当の人生を描くということは、そこに関わった男性像も描いていくことになるし、今の時代と違うことも、もちろんいっぱいあると思うんですけど「キレイ、キレイ」にしないで、いろんな生き方を描いてくれるといいなと。私はそこにチャレンジしていってほしいなと思って楽しみにしているところです。(台)本を読んだ時は、やっぱり、珠さんが魅力的だなと感じました。いろんな困難に立ち向かったりとか、ピンチが訪れたりとか、それでもヒロインが魅力的であるってことが、このドラマを支えるんだろうなと思っています。小さい時の珠ちゃんが本当にけなげで。大変だろうに、あんまり大変と言わないけなげさが、すごいあふれていて。かといって、反抗するわけでもなく、相手をすっと見つめることで、乗り越えていける強さが幼少期から伝わったので。それが大人のたまさんになっても、ずっと続いていくのかなと(今後の)展開が楽しみだなと私も思っています。