朝ドラ「ブラッサム」初回、松田聖子「チェリーブラッサム」起用の理由 制作統括「一択ですね」

朝ドラ「ブラッサム」でヒロイン葉野珠を演じる石橋静河(2026年撮影)

女優石橋静河(32)が主演するNHK連続テレビ小説「ブラッサム」(月~土曜午前8時)が28日、スタートした。

初回では1980年代を生きる主人公・葉野珠(加賀まりこ)が登場し、ラジオから松田聖子のヒット曲「チェリーブラッサム」が流れ、物語の幕開けを彩った。制作統括の村山峻平チーフプロデューサー(CP)が、同曲を選んだ理由や初回に込めた狙いを明かした。

同作は、明治、大正、昭和を駆け抜けた作家・宇野千代をモデルに、珠が数々の出会いと別れを重ねながら、自分らしい生き方をつかんでいくオリジナルドラマ。初回は1980年代の珠から始まり、幼少期へとさかのぼった。

村山CPは「チェリーブラッサム」の起用について、1980年代の空気を視聴者に直感的に伝えるためだったと説明。「1980年代を覚えている方は、歌謡曲で1つの世界観が作れるんじゃないか」と演出陣と話し合ったという。

作品には「咲き誇れ私」というテーマがあり、宇野千代が桜を好んでいたことも選曲と重なった。村山CPは、楽曲が当時の空気、桜、作品のメッセージを結びつける「すごくすてきな入り口」になると考えたといい、候補に迷ったかを問われると「一択ですね」と語った。

初回では若き珠を演じる石橋は声のみで登場し、本編では姿を見せなかった。村山CPは80代の珠から幼少期へ入っていく流れを重視し、「あえて石橋さんを段取り的に見せる」ことはしなかったと説明。一方、タイトル映像には石橋が登場しており、「石橋さんの葉野珠は、きちんと視聴者の方に届けられる」と考えたという。

タイトル映像を手がけたのは映画監督の奥山大史氏。宇野千代の「花咲かばあさんになりたい」という言葉を発想の核に、困難を1つずつ乗り越えた先で、珠が咲き誇る姿を表現した。 村山CPは、物語がつらい局面を迎える日には「タイトル映像の方がむしろ泣けてくる」こともあるといい、本編と一体になった映像への思いを語った。

村山CPは、石橋の起用理由に「まなざしの強さ」と「笑顔」を挙げた。珠は何事も勢いで突破する人物ではなく、周囲に巻き込まれ、悩みながらも1歩ずつ前へ進む。石橋について「にじり寄るような1歩にも、大股の1歩にも説得力がある」と評し、悲愴(ひそう)感に陥らず立ち上がる珠の姿を託した。

◆「ブラッサム」 山口県出身の作家・宇野千代をモデルに、明治、大正、昭和を生き抜く葉野珠の波瀾万丈の人生を描く。主人公を石橋静河、高齢期を加賀まりこが演じる。戦争や借金、結婚と離婚を乗り越え、作家の道を自ら開く。テーマは「咲き誇れ私」。脚本は櫻井剛、小松與志子。主題歌「咲き誇れ」はYOASOBIが担当し、原作小説は綿矢りさが書き下ろした。朝ドラ第115作。