倉本聰さん代表作「北の国から」は人の死、妊娠中絶、不倫も描いた富良野で暮らす親子3人の物語

「北の国から」への思いを語る倉本氏

脚本家の倉本聰(くらもと・そう、本名山谷馨=やまや・かおる)さんが18日、多臓器不全のため死去した。91歳。倉本財団が28日、公式サイトで発表した。

代表作の「北の国から」は、フジテレビ系の連続ドラマとして81年10月に始まった。82年3月まで毎週金曜午後10時から全24話を放送。その後も「'83冬」「'84夏」「'87初恋」「'89帰郷」「'92巣立ち」「'95秘密」「'98時代」「2002遺言」と、数年に1回のペースで全8編のスペシャルドラマが放送された。

物語は、東京での生活に疲弊し故郷の北海道・富良野市に戻った主人公の黒板五郎(田中邦衛)が、長男純(吉岡秀隆)、長女蛍(中嶋朋子)の2人の子どもと、厳しい自然の中、たくましく生きていく姿を描いた。子役だった吉岡、中嶋の成長を、20年以上にわたって追いかける、ドキュメンタリー番組のような要素も加わり、絶大な人気を誇った国民的なドラマとなった。02年放送の「北の国から」シリーズ最後のスペシャルドラマ「2002遺言」の視聴率は、2日連続放送の前編が38・4%、後編が33・6%を記録するなど、スペシャルドラマ8編全11回の放送は全て20%を超えた。

連続ドラマで五郎の妻だった、いしだあゆみ演じる黒板令子が亡くなり、スペシャルドラマ「'98時代」では、岩城滉一演じる草太が若くして亡くなるなど、別れの描写は多くの人の涙を誘った。また純の恋人だった宮沢りえ演じるシュウが元AV女優であったり、蛍が不倫したりと、センセーショナルな内容も盛り込まれ、幅広い年齢層から注目を集めた。

また五郎が中華料理店で発した「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」、純が妊娠させたタマコ(裕木奈江)の叔父を演じた菅原文太の「誠意って何かね?」などの名セリフは、当時から今も、多くの人の胸に刺さった。他にも「夜になったら眠るンです」「疲れたらいつでも帰ってこい。息がつまったらいつでも帰ってこい。くにへ帰ることは恥ずかしいことじゃない」「お前の汚れは石鹸で落ちる。けど石鹸で落ちない汚れってもンもある。人間少し長くやってりゃ、そういう汚れはどうしたってついてくる」など心に響く名言も数多くある。

また、「アーアーアアアアアーア」で始まる、さだまさしの主題歌「北の国から~遥かなる大地より~」の切ないメロディーも、ドラマの世界観を表現していた。さだは後年、倉本さんから「ギター持って来い」と呼ばれ、「パーティーがあると思ってフラッと行った」ところ、ドラマのビデオを見せられ「『今、曲つけろ』って言われて、『お前、音楽やれ』って。それで、その場で一生懸命、考えて、倉本先生が何度も(ビデオを)巻き戻して……苦労しましたね」と明かしている。

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