2006年(平18)9月に亡くなった丹波哲郎さんが製作・企画・原案・脚本・総監督・出演の1人6役を務めた、1989年(平元)の映画「丹波哲郎の大霊界/死んだらどうなる」(石田照監督)が、丹波さんの没後20年に4Kデジタルリマスター版で復活し、37年ぶりにスクリーンで上映されることが1日、発表された。先だって、第39回東京国際映画祭(26日開幕)の日本映画クラシックス部門で、27日にワールドプレミア上映される。
「丹波哲郎の大霊界/死んだらどうなる」は、丹波さんが「人は死んだらどうなるのか?」という普遍的な問いに対し、壮大なビジュアルと独自のアプローチで迫り、大ヒットを記録した金字塔的作品。長年、倉庫の奥深くで保管されていたオリジナルネガプリントが、解体・処分される直前の危機に瀕(ひん)している、との情報を聞き付けた三池崇史監督(66)が「昭和の異色超大作である本作をこのまま失わせるわけにはいかない」と立ち上がり、すぐさま関係各所へ強く働きかけたことで事態は一変。絶望視されていたフィルムの救出と、奇跡的な4Kリマスタープロジェクトが始動した。
4Kリマスター化したことで、精霊界や天界層を描いた極彩色のビジュアルや、当時の最高峰特撮技術を結集したビジュアル・エフェクトが、オリジナルネガプリントより最新の4Kデジタル修復技術によって緻密(ちみつ)に再現。さらに音声も5.1chにアップグレードされ、より鮮烈かつ幻想的な体験が堪能できる。丹波さんの長男で主演の義隆(71)をはじめ若山富三郎さん、前田吟(82)千葉真一さんら昭和の名優たちが集結し、死後の世界を舞台に繰り広げられる人間ドラマが、スクリーンで再び息を吹き返した。映画界の熱意によって文字通り「死の淵からよみがえった」作品が、最高のデジタル修復技術を経て現代のスクリーンに“降臨”する。
4Kリマスター化および丹波哲郎さんの没後20年を記念して、世界的アーティストの村上隆氏(64)が、メインポスタービジュアルを特別に描き下ろした。丹波さんが描いた独自の霊界観と、村上氏のポップかつ圧倒的なビジュアル世界が融合した、唯一無二のポスターが完成した。
村上氏、三池監督、丹波義隆のコメントは、以下の通り。
村上隆氏 量子力学と般若心経の「空」かいわいが大好きな私と「大霊界」との波動が共鳴して、気がついたら絵画作品が出来ていました。この世はホログラムなのだ! 理論をカットの狭間に発見し、涙が止まらない事必至!(あくまで私的感想です)
三池崇史監督 日本インディーズ映画の金字塔「大霊界」。丹波哲郎の愛が生者の不安と邪気を払う!
死ぬ前に見るべし!
丹波義隆 くしくも父の二十一回忌にあたる今年、東京国際映画祭という華やかな舞台で、父の情熱の結晶である「丹波哲郎の大霊界/死んだらどうなる」が、37年の時を経て再び4Kでスクリーンによみがえることを心よりうれしく思うのと同時に関係者の皆さまに感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
来年にはイベント上映、配信と、DVDやブルーレイ、各種商品化の発売も予定している。