テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の大越健介キャスターは2日夜の放送で、今年2月の衆院選で自身を支援しなかった地元自治体の道路予算を大幅にカットしたという趣旨の発言を、自民党支部の会合で行っていたと一部週刊誌に報じられた簗和生農相と近い立場にある高市早苗首相について、言及した。
簗氏は2日の閣議後会見で今回の報道問題に明確に答えられず、夕方になって「1議員として」の記者会見開催に追い込まれた。その席で、「私の表現ぶりが誤解を招いた」「誤解を生んだ」など「誤解」というフレーズを多用しつつ、「(会合で)『大幅に道路予算をカットしました』というような言い方はしたのか」と問われると、「音声を確認したわけではないが、そのような形で音声が出ているということであれば、そういう発言をしたんだとと思います」と、報じられた内容の発言を事実上認めた。
一方で、国交省に道路予算をカットするよう自ら働きかけたことは否定し、「国交省には予算の箇所付けの状況の結果を確認したということ。自民党の身内の会ということもあり、少し誤解を生むような発言をしてしまった」と主張。任命権者でもある高市早苗首相とは話をしていないとして引き続き職務に当たる考えを示し、辞任は否定した。
番組では、会見での簗氏の発言を詳報。2月の衆院選では、簗氏の選挙区の栃木3区は保守分裂選挙になったが、応援に入った高市首相が「私の大事な簗ちゃん、知恵袋の簗ちゃんが(地元選出の代議士として)いなかったら大変です」と有権者に支持を訴えた際のVTRも報じた。簗氏は結局小選挙区で敗れ比例復活したが、今回報じられた音声では、簗氏とされる人物が「予算カットした」という自治体として那須烏山市や那珂川町を挙げ、その2自治体で衆院選の得票が、ほかの地域と比べて伸び悩んだことが、小選挙区落選の要因になった可能性にも触れた。
簗氏は、「選挙の強さ」も重視された第2次高市改造内閣で起用された閣僚で唯一、小選挙区で落選している。また旧安倍派出身で、同派裏金事件では1746万円の不記載があり、党から役職停止6カ月の処分を受けた経緯から、今回の初入閣の際には批判的な声も強かった。それでも簗氏が閣僚に起用された背景について、同局政治部記者からは、簗氏が高市首相を支持する保守系グループに所属し、政策通であること、さらに忠誠心の強さなどが「お気に入りの理由」との解説があった。
首相周辺では、簗氏の辞任は否定的に受け止められている一方で、自民党内部では厳しい見方もあるとして、5日からの臨時国会での対応が焦点になるとの見立ても伝えられた。大越氏は、この解説を踏まえて、簗氏を「重用」した形の高市首相を念頭に「ひいきの引き倒し、ということにならなければいいんですが」と、口にした。