元テレビ朝日社員の玉川徹氏は15日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に生出演。衆院選で自身を支援しなかった地元2市町の道路予算「大幅カット削減」発言や、公職選挙法抵触の疑いもあるシャトルバス無料送迎問題など相次ぐスキャンダルを抱えた簗和生前農相の進退をめぐる高市早苗首相の判断について「あまりにも自分が信用している少数のチームだけでものごとを判断する結果として、この(判断の)ズレが起きたのではないか」と指摘した。
簗氏は14日の衆院予算委員会後に官邸を訪れ、高市首相に辞表を提出。高市首相は受理し、事実上更迭した。高市首相は「内閣総理大臣として、国会審議や農林水産行政に集中できない状況が続くということは看過できず、消費税・支援金法案や中東情勢への対応、責任ある積極財政を実現するための予算編成など重要な課題にひとつひとつ答えを出していく必要があり、簗大臣の申し出を受け入れることにした」と語ったが、最初に「予算大幅カット発言」が報じられてから約2週間、結果的に簗氏を守り続けた形となり、高市首相の判断の遅れや甘さも浮き彫りになった。
番組では、14日の簗氏や高市首相の発言、辞任劇の舞台裏などについて伝えた。玉川氏は「一連の経緯をもう一回振り返ると、予算カットの発言が報じられ、そのあと先週、シャトルバスの疑惑も報じられ、その後もまだ続いている。(簗氏の大臣職を)続けさせている」と高市首相が取った判断に言及。「先週の金曜日の時点で、高市総理は(代表質問で)『人一倍働いてほしい。仕事で返してほしい』と言っている。この後、どうも連休を挟んで火曜日になってトーンが変わる。この間に何があったんでしょうか」と指摘した。
解説で出演した政治部官邸キャップの千々岩森生記者は「高市総理が感じているところが1日、2日、3日くらい、(判断が)常に遅いと感じている」などと、「大幅予算カット発言」の後にシャトルバス問題が報じられても更迭しなかった首相判断の遅れに触れると、玉川氏は、シャトルバス問題を説明するにあたって、13日の衆院予算委員会で違法性の可能性が指摘される根拠となった「選挙関係実例判例集」を手にした。
「こんな分厚い本ですが、その中に、候補者が個人演説会を聴いてもらうために有権者をバスで会場まで運ぶことはどうかという問いに、(公職選挙法)第221条の利益供与になると、はっきり書いてある」と指摘。「もしかしたら、ここを(高市首相の)チームが認識していなかったんじゃないかと」と疑問を呈した。
簗氏は国会答弁で、シャトルバスの送迎も含めて「会場費」に含まれるとの認識を示したが、地元の栃木県の選挙管理委員会は明確に否定。簗氏は事前に選管に問い合わせた内容について、13日の衆院予算委での発言について、14日に修正している。
玉川氏は「従前からずっと言われていることなんですけれど、まず何でも自分で決める。官僚の答弁も、全部読んで寝る暇がありませんみたいなこともありましたけど、非常に限られた人間の中だけで判断している」と、高市首相の判断スタイルに言及。「今までの政権なら、なにか問題が起きた時は(より大きな)チームがガッと集まって、いろんな知恵を集めて対策を練るという形で対抗してきたと思うが、そういうことができていないのではないか」と指摘した。
その上で「報道でも『危機管理が大丈夫なのか』という言われ方をしているが、あまりにも自分が信用している少数のチームだけでものごとを判断する結果として、この(判断の)ズレが起きたのではないか」とも述べ、高市政権は歴代政権に比べ「知恵の結集」ができていないことが、今回の事態を招いたのではないかとの分析も披露した。