作家小林信彦(こばやし・のぶひこ)さん(本名同じ)が10月19日午前11時31分、多臓器不全により東京都杉並区の病院で死去した。93歳。23日、新潮社が発表した。10月に入り、体調不良で入院していたという。
すでに近親者で葬儀を執り行った。喪主は長女佐々木眞理(ささき・まり)さん。「お別れの会」などは予定していない。
小林さんは早大卒業後の58年、江戸川乱歩に見いだされ、宝石社に入社、翌年、編集長として「ヒッチコックマガジン」を創刊。64年、長編小説「虚栄の市」で作家デビュー。
植木等さん、坂本九さんらのバラエティー番組の制作や映画の製作にも関わった。
コラムニストとしても知られ、98年スタートの「週刊文春」の連載コラムは21年まで23年間続いた。
17年、脳梗塞(こうそく)を発症し、左半身まひとなったが、約半年の休載を経て連載に復帰。闘病の詳細を記した一連のコラムは『生選』にまとめられた。
73年「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞、06年「うらなり」で菊池寛賞、22年「第96回キネマ旬報ベスト・テン特別賞」など。
小説「唐獅子株式会社」「ミート・ザ・ビートルズ」「怪物がめざめる夜」のほか、多数の映画や落語、漫才に関する批評、エッセー、コラムを刊行した新潮社は「長きにわたり上質な作品を生み出し続けて下さったことに深い感謝を捧げ、ご冥福をお祈りいたします」とコメントしている。